電車内で女性の体を触った疑いで男性が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
浦安署は、千葉県県迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで自称カメラマンの男性を現行犯逮捕しました。
被疑事実は、JR京葉線海浜幕張−新浦安間を走行中の快速電車内で、隣の席に座っていた女性の体を触った疑い。
同署によると、被害女性が「次の駅で降りて」と容疑者に声を掛けて新浦安駅で下車させ、駅員が警察に通報した。「触ったことは間違いない」と容疑を認めている。
2 迷惑行為防止条例違反の刑事処分
痴漢行為(都道府県の迷惑行為防止条例違反)の法定刑は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金ですが、初犯であれば20万円から30万円の罰金となることが多いといえます。
ただし、同種の前科や前歴があれば、罰金額が増えたり、正式裁判により懲役刑となる可能性もあります。
また、前科や前歴があったり、繰り返し行った場合は、常習痴漢行為(2年以下の懲役または100万円以下の罰金)という別の犯罪となることもあります。触り方によっては、暴行罪や強制わいせつ罪となる場合もあります。
3 弁護活動
弊所では、このような迷惑行為防止条例違反のケースで、可能な限り早く身柄拘束を解き、また、最終的な刑事処分を軽くするためのお手伝いをしております。
長期の身柄拘束が続けば、そのこと自体による社会的制裁が非常に大きくなりますので、まずは早期の身柄解放を目指します。
被害者との面識が全くなければ、自白し、被害者への謝罪と、身元引受人の監督、被害者に接触しない旨の上申書を提出することで、充分、釈放される可能性があるといえるでしょう。検察官との交渉、裁判官との交渉、勾留決定後の準抗告の3つの場面で釈放を求めていきます。
また、釈放の有無に関わらず、最終的な刑事処分については、基本的に、被害者との示談が重要です。また、示談と言っても、単純に民事上の解決をするのではなく、被害届を取り下げたり、「刑事処分を求めない」といった示談書を取り交わすなど、刑事処分を軽くするための対応が必要です。また、被害者との交渉が満足にいかない場合などは、検察官との交渉を行います。
示談交渉にあたっては、誠意をもって謝罪の意思を示すと共に、事件場所に近寄らないなど、通勤経路、生活圏行動圏の変更を行い、安心してもらう必要があります。
最終的に、損害賠償金、示談金を受け取ってもらい、刑事処分を軽くするための協力をしてもらえないか依頼します。被害者対応が終われば、あとは、検察官と交渉をし、出来るだけ刑事処分を軽くしてもらえないかどうか交渉します。
被害者と示談が成立し、処分ついて軽くする方向での意見もらえれば、通常は、不起訴(起訴猶予)になることがほとんどです。同種前科があっても不起訴になったケースもあります。不起訴は、起訴されない=懲役や罰金など刑事罰を受けないことを指し、前科がついてしまうことを避けられることになります。
ご不安な方は、すぐにご相談ください。
執筆者情報
石崎 冬貴Fuyuki Ishizaki
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士