「エアドロ痴漢」で医師の男が逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

2021年8月25日、福岡県警察が、「エアドロ痴漢」の疑いにより、医師の男を逮捕したとの報道がなされました。

「エアドロ痴漢」とは、「エアドロップを使って近くにいる者のスマートフォンにわいせつな画像や動画を送る」という行為です。

エアドロップ機能とは、スマートフォンを使って、近くのスマートフォンにデータを送信するという機能です。

報道によると、容疑者は、近くにいた女子高生のスマートフォンにわいせつな動画を送った疑いがもたれているようです。

なお今回は現行犯逮捕ではなく、後日逮捕のようです。

エアドロップ機能の履歴から、容疑者のスマートフォンが割り出された可能性が高そうです。

 

2 「痴漢」ではなく「わいせつ電磁的記録等送信頒布」罪になる?

「エアドロ痴漢」は「痴漢」という呼び方がされていますが、法的には痴漢とは別のものと言った方が正確です。

痴漢は、法的には「(それぞれの都道府県の)迷惑行為防止条例違反」又は「強制わいせつ罪」といいます。

いずれも、主に身体に直接触れた場合に成立する罪です。

一方で本件では、直接触れるのではなく「データを送信する」行為です。

ですので、わいせつな動画という「わいせつ電磁的記録」を、エアロドップ機能により「送信」したことにより、わいせつ電磁的記録等送信頒布罪が成立する可能性が高いのです。

 

3 わいせつ電磁的記録等送信頒布罪が成立してしまうと?

わいせつ電磁的記録等送信頒布罪の法定刑は、2年以下の懲役または250万円以下の罰金(又は科料)です。

初犯であれば罰金刑となる可能性が高いと言えます。

ただし余罪の数や悪質性次第では、懲役刑となる可能性も十分にあります。

特に今回は、余罪も多数あると見られ、警察が捜査を進めているようです。

常習的に行っていて被害者の数も多ければ、懲役刑となる可能性も出てくると言えるでしょう。

少しでも刑罰を軽くし、さらには不起訴処分(何の刑罰も受けない処分)を目指すためには、①被害者様との示談、②担当検察官との交渉、の2点が重要となります。

 

4 弊所でお手伝いできること

まず①被害者様との示談についてですが、普通、被害者様は、加害者本人の連絡等は受け付けてくれません。そこで、弁護士が間に入って、謝罪や謝罪金のお渡しの橋渡しをさせていただきます。

次に②担当検察官との交渉についてですが、やはり専門の法的知識が必要となります。そこで、弁護士がそのお手伝いをさせていただくことになります。

弊所では、これまで多くの刑事事件で、①被害者様との示談や、②担当検察官との交渉を成功させてきています。

少しでも身に覚えのある方や、すでに警察の呼び出しを受けてしまっている方、そして現にご家族が逮捕されてしまっている方は、まずは今すぐ弊所までご相談ください。

 

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執筆者情報

佐山 洸二郎Kojiro Sayama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士