メガネ型カメラで風俗嬢を隠し撮りしネットに投稿して逮捕!
どんな場合に逮捕される?購入者は捜査される?
1 報道の概要
2021年6月下旬、デリヘル嬢から下谷署に「私の動画がFC2にアップされている」という相談があり、盗撮行為が発覚し、容疑者が、7月18日、都迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕され、さらに同月29日、わいせつ電磁的記録等送信頒布容疑で警視庁保安課に再逮捕されました。
容疑者は、今年3月から7月までデリヘル嬢ら33人を同じ手口で盗撮し、600件の盗撮画像を販売。計100万円を稼ぎ、それをデリヘル代につぎ込んでいたとのことで、調べに対し、「わいせつ動画を不特定多数の人に販売していたことは間違いない。盗撮をすると興奮する。当初は観賞用に盗撮していたが、わいせつ動画を販売してお金を稼ぐことができれば、またデリヘルを呼んで性的サービスを受けることができると思った」と供述しているとのことです。
2 風俗店の盗撮事件について
風俗店の盗撮事件は、現行犯の事例がほとんどです。現場で盗撮していることが見つかった場合、①まず風俗店のスタッフが現場に来て、「罰金」と呼ばれる違約金(50~100万円程度が多いようです。)を支払うよう要求され、②それで解決しない場合に、警察を呼ばれて、刑事事件として処理するという流れを取ることが多いです。
今回の事例は、やや特殊で、後日逮捕の事案です。今回は、単に盗撮をしているだけではなく、写っている人が特定できるような形で撮影されており、インターネットで販売され販売者の特定ができたことから、犯人特定がされたという事案です。
3 どんな場合に逮捕される?
現行犯で見つかった場合、素直に犯行を認めているときに逮捕されることはあまりありません。
しかしながら、犯行を認めない場合で、証拠が見つかったような場合は、証拠を隠すおそれがあるとして逮捕されるということがあります。
また、今回の事例のように、あきらかに複数回行っていて、しかも収益を上げているような場合は、予想される刑罰も重いことから、逮捕されることが多いといえます。
4 購入者は捜査される?
購入者が容疑者として捜査対象になることは、一般的には考えにくいところです。
しかしながら、わいせつな電磁的記録の送信頒布という行為は、購入した人がいるから成り立つ部分があり、警察もそこまで調べることがあります。
そのため、購入者は、容疑者から商品を購入したことを確認するために、参考人として捜査を受けることがあります。
5 もし風俗店で盗撮をしてしまい、見つかってしまったら
もし風俗店で盗撮をしてしまい、その場で発覚した場合、まず風俗店側は、違約金を支払う旨の「念書」というものを書かせようとします。これは書かないほうがいいです。「やってしまったことは申し訳ない。先に弁護士に相談させてください。」と申し入れて、法律事務所にご相談いただくことをおすすめします。
仮に念書を書いてしまったり、身分証明書の写しをとられて脅されている場合も、弁護士を介入させることで収まる場合もあります。
また、今回の事例のように販売をしてしまっている場合は、逮捕を避けるという観点から自首をすることが有効になります。
まずはこの手の案件を多く取り扱っている法律事務所に相談されることをおすすめします。
執筆者情報
杉浦 智彦Tomohiko Sugiura
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士