着替え中の女児を盗撮しようとした疑いで、男性が逮捕されたとの報道!?

1 事案の概要

兵庫県警豊岡署は、兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで、京都府福知山市の自営業の男性を現行犯逮捕しました。

逮捕容疑は、同県豊岡市竹野町竹野の海水浴場の更衣室で、着替え中の女児を隣の個室から小型カメラで盗撮しようとした疑いです。同署の調べに容疑を認めているようです。

 

2 予想される刑事処分

盗撮行為は、通常、都道府県の迷惑行為防止条例違反で処罰されます。女子更衣室や女子トイレなど、立ち入ることができない場所に侵入して盗撮した場合は、建造物侵入罪も同時に問われる可能性があります。

本件では、条例違反のみで現行犯逮捕されていることから、おそらく男女共用の簡易な更衣室だったものと思われます。

また、被害児童が18歳未満ですので、被害児童の着衣の状況によっては、盗撮行為による児童ポルノの製造罪に該当する可能性もあります。こちらは、今後の捜査で判断されることになるでしょう。

一般的には、初犯で条例違反のみあれば20から30万円の罰金となることが多いですが、児童ポルノの製造が成立していたり、余罪が多い場合や、画像の譲渡などを行っていた場合には、正式裁判を経て懲役刑が科される可能性もあります。

 

3 弁護活動

まずは、釈放を求めていくことになりますが、常習性の有無や、被害者との接点の有無によってその可能性は異なります。たまたま訪れた海水浴場で魔が差して犯行に及んだ、というのと、元々地元で見たことがあり付け狙っていた、というのでは事案の性質が全く異なります。事情を細かくヒアリングし、罪証隠滅の恐れがないことを丁寧に主張しなければなりません。

また、本件のように被害者がいる犯罪では、まずは被害者との示談が重要です。また、示談と言っても、単純に民事上の解決をするのではなく、被害届を取り下げたり、「刑事処分を求めない」といった示談書を取り交わすなど、刑事処分を軽くするための対応が必要となります。本件の被害者は未成年ですから、保護者との協議になりますが、一般的にいって、保護者の処罰感情は非常に強いことがほとんどです。ただし、保護者としては、今後、報復や接触などを恐れていますので、その点をしっかりとケアしていけば、充分、示談をすることは可能です。

示談交渉がうまく進めば、不起訴処分(起訴猶予)となると思われます。仮に、示談ができなかった場合は、検察官との交渉が重要となり、被害者への慰謝の措置や、報道による社会的制裁などを主張することになります。

弊所では、これまでも盗撮行為の弁護は多数担当しています。ご不安な方は、現状を問わず、すぐにご相談ください。

 

 

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執筆者情報

石崎 冬貴Fuyuki Ishizaki

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士