自宅で妻に暴行を加えケガをさせたとして、夫である元タレントが逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
元タレントで運送業の清水良太郎氏が、自宅で妻に暴行を加えケガをさせたとして傷害罪で逮捕されました。
報道によると、清水氏は、東京都中野区の自宅で、妻の後ろ髪をつかんでソファに押し倒し、首に全治1週間のケガをさせた疑いが持たれています。
取調べに対し、清水氏は、「夫婦げんかで口論になり、髪の毛をつかんで押し倒したのは間違いない」と述べ、被疑事実を認めているそうです。
2 傷害罪の捜査、刑事処分等
傷害罪は、人に対し暴行を加え、その結果、相手がけがをした場合に成立する犯罪で、法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。暴行を加えてけがに至らない場合は暴行罪が成立します。
傷害と言っても、比較的軽微なものから悪質なものまで様々ですが、基本的には、生じた結果、つまり、けがの重さによって処罰は異なります。軽微なものであれば、初犯の場合、10~20万円程度の罰金になる可能性が高く、繰り返すことで、罰金や、正式裁判となっていき、繰り返せば、最終的には実刑となります。
身柄拘束についても、生じた結果によって異なりますが、本件のように、配偶者や交際相手に対するDV(家庭内暴力)案件では、再発の可能性が高いことから、早期の釈放は認められにくい傾向にあります。
3 弁護活動
傷害の場合、被害者がいることが前提になりますので、まずはその被害者との間での示談交渉が最優先になります。
全治数か月や、重篤な後遺障害などの被害が生じていても、被害者との間で示談が成立すれば、基本的には不起訴となる可能性が高いでしょう。
本件のようなDV案件では、常習的なものは別として、しっかりと話し合うことで、示談(または被害届の取り下げ)に至る場合の方が多いと思います。DVの場合、金銭的なやり取りをすることはあまりありませんが、それよりも、釈放後の生活環境を調整することが重要です。
しっかりと今後の生活に向けて話し合いができるまで、それぞれの親族や知人などを頼って別居する等の方法が効果的です。
そのような方法を取らない場合、単に被害届を取り下げても、早期の釈放は望めません。
初期の身柄解放活動も含めて、お早めにご相談ください。
執筆者情報
石崎 冬貴Fuyuki Ishizaki
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士