無人のメダカ販売所で高級メダカをすくって持ち去り、窃盗容疑で男が逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

兵庫県たつの市の無人販売所に設置された防犯カメラが、「めだか泥棒」を捉えました。

防犯カメラの映像には、無人のメダカ販売所にやってきた男が、備え付けの網を使ってメダカをすくい取り、持参した袋へメダカを入れ、料金を支払わずにその場を立ち去った様子が映っていました。男が盗んだメダカは13匹ですが、1匹およそ4000円の高級メダカであり、被害額は合わせて5万2000円相当になるということです。

この防犯カメラの映像から兵庫県警は、たつの市の団体職員の男を窃盗の容疑で逮捕しました。

男の自宅からは水槽2個が押収され、盗まれた高級メダカはすべて無事に見つかったとのことです。

 

2 本件で成立する犯罪について

本件の犯行場所は、無人の販売所ですが、管理者やオーナーがはっきりしていますので、この管理者やオーナーのものを盗ったということで窃盗罪に該当します。

仮に管理者やオーナーがはっきりしない場合(落ちているものを拾って自分のものにした場合など)は、占有離脱物横領罪や単純横領罪が成立する可能性があります。

窃盗罪は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

初犯であれば罰金になる可能性が高いですが、被害金額や余罪などの常習性によって正式な裁判となる可能性も十分にあります。
本件の被害金額は5万2000円相当であり、比較的被害金額は高いといえます。

遺失物横領罪は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金もしくは科料」、単純横領罪は「5年以下の懲役」ですので、単純横領罪がこの中では最も重たい犯罪となります。

 

3 弊所の弁護方針について

前述のとおり、窃盗罪に関しては、初犯であれば罰金刑で終わることがほとんどです。

ただし、被害金額が高額である、余罪が多数ある、犯行態様が悪質である等の事情がある場合には、正式な裁判を受け実刑となる可能性もあります。
これらを避けるためには、つまり不起訴や執行猶予を得るためには、被害者に対し、示談の申込みをして示談を成立させることが重要となります。初犯の窃盗であれば、示談が成立すれば不起訴となることがほとんどです。

窃盗事件の場合、盗んだもの自体を返還すればそれ以上被害者から求められないこともありますが、それだけだと罰金になる可能性は残ります。また、本件のようにお店の商品に関しては、返還してもそのまま売りには出せなくなっていますので、被害金額以上の解決金を支払う必要が出てきます。

示談を断られてしまった場合でも、自首をしている、しょく罪寄付をしている、窃盗癖のクリニックなどに通院して再発防止に取り組んでいるなどの事情を合わせることにより、不起訴となる可能性も十分にあります。

もしご自身やご家族が窃盗事件にかかわってしまった場合は、当事務所までご相談ください。

 

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執筆者情報

下田 和宏Kazuhiro Shimoda

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士