性的サービス中に盗撮し、軽犯罪法違反で警察官が現行犯逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
2021年3月20日午後、大阪市中央区のホテルで風俗店従業員の30代の女性から性的サービスを受けている様子をスマートフォンで盗撮していたとして、警察官が逮捕されました。
盗撮に気付いた女性が店長らに連絡し、ホテルの部屋で警察官を取り押さえ、警察に引き渡したとのことです。
2 都道府県によって成立する罪名が違う?
実は、ホテルや住居での盗撮案件は、地域によって成立する罪名が異なります。
神奈川県では、ホテルや住居の盗撮も、迷惑行為防止条例で処分できます。
しかしながら、地域によっては、迷惑行為防止条例で対応できる盗撮が、公共の場所に限定されているものもあります。本件は大阪の事件ですが、まさに、整備されていない地域となり、「軽犯罪法」で処分されることになります。
なお、ホテルや住居での盗撮被害が全国的に深刻化しており、全国的にも条例の整備中の状況です。例えば京都府も改正対応を行い、2020年1月から施行されているところです。
3 軽犯罪法でも逮捕される?
軽犯罪法という軽微な犯罪が逮捕されるのは、ほとんど、警察官による逮捕ではなく、一般人による逮捕です。
この事案も、店長によって逮捕されているようです。
軽犯罪法は、「拘留(1~30日の身柄拘束)」「科料(1000円~1万円の制裁金)」という刑罰が課されるのですが、このような犯罪は、一般人でも、住所氏名が不明だったり、逃亡のおそれがある場合にしか逮捕できません。今回も、逃走しようとしたため、逮捕されたものと考えられます。
逮捕されると、報道される可能性が高まるので、万が一見つかってしまった場合は、逃げないようにすることが大切です。
4 刑罰の重さは?
軽犯罪法違反の場合、初犯であれば、科料として1万円弱の支払いが求められます。
迷惑行為防止条例違反の場合、初犯であれば、罰金として30万円程度が科されていることが多いです。
5 店の罰金は?
これらは刑罰の話ですが、これ以外に、風俗店から罰金の支払い(100万円程度)を求められることも多いです。
これは、不当な場合も多いので、弁護士が入ることで減額を求めることができることもあります。
ご不安であれば、来所の上でご相談ください。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士