学校関係者が校内で生徒を盗撮した疑いで逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

高校で事務職員をする男性(25歳)が、勤務先の校舎内の階段を上っていた1年生の女子生徒(16歳)の背後から、スカート内にスマホを差し入れたとして、兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されたとのことです。女子高生は、事件当時、盗撮行為に気づき、次の日には警察署に連絡したそうです。

今回は、この事件を題材に、盗撮事件の法的問題点や取りうる弁護活動などを解説します。

 

2 盗撮行為は、どのような犯罪になるか?

盗撮罪という罪は存在しません。盗撮行為は、各都道府県の迷惑防止条例違反になりうる行為です。

迷惑防止条例は、公共の場所や交通機関で、人の下着等を見る目的で、人を不安にさせ又は羞恥を起こさせる方法で、写真機等を人に向けた場合に、犯罪になると定めている場合が多いです。

また、下着姿だけを撮影するならば迷惑防止条例違反止まりとしても、衣服を付けない18際未満の身体を撮影すれば、児童ポルノ禁止法違反になる可能性が高まります。

 

3 逮捕と実名報道の可能性

盗撮事件は、逮捕や報道の可能性があるとともに、盗撮の仕方などによっては、公開裁判が開かれる可能性があります。

今回の事件も、男性は逮捕されているとともに、いわゆる実名報道がされています。数ある盗撮事件の中から、どのような事件を、どのような場合に報道をするかという判断は、捜査機関から情報を得るなどした報道機関が決めているので、その基準が必ずしも明確ではありません。

しかしながら、学校関係者が生徒や学生を対象とした盗撮事件には、社会的な関心の高いものとして報道されやすい傾向が、やはりあるように思います。

また、被疑者が逮捕されたり書類送検されたりするタイミングで、報道がされやすい傾向があります。

 

4 今回のような事件に対する弁護活動

今回の事件で、男性は逮捕されています。このように、逮捕された段階からの弁護活動としては、勾留からの身体解放に向けた弁護活動や、被害者との示談交渉が考えられるところです。示談が成功すれば、不起訴処分を得ることが出来る可能性が高いです。

今回のケースでは、事件の翌日に警察署が事件を知ることになりましたが、盗撮事件は、逮捕されないまま数日が経ってしまう場合もあります

しかし、その場合、後から被害届が出されたり、同種の行為で検挙されたりすることで、後々逮捕されてしまうリスクをある程度抱えたまま過ごすことになります。

このような場合には、自首することで、逮捕のリスクを大きく減らすとともに、逮捕に伴った実名報道のリスクを減らすという弁護活動も考えられるところです。自首は多くの場合、処分自体も軽くしますので、一考の余地ある選択と言えます。

 

5 盗撮事件を起こしてしまった方は、ご相談下さい

弊所は、盗撮事件をはじめとした性犯罪事件を、幅広く取り扱ってきました。

また、弊所は長年にわたって、弁護人による示談交渉や自首同行等の重要性を唱え、実現することで、多くの実績を残してきております。

まずは、事件に応じた具体的な見立てを立てるため、ご相談頂ければと思います。

 

執筆者・原田 大士の写真

執筆者情報

原田 大士Daishi Harada

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士