防犯カメラで盗撮犯が特定! 電車・駅で逃走する場合の発覚リスクを弁護士が解説します
1 報道の概要
2022年9月26日午前6時15分ごろ、電車内で、女子高校生(16)のスカート内にスマートフォンを差し入れて盗撮しようとした疑いで、男性が逮捕されました。
この容疑者は、電車内で盗撮を咎められ、被害者とともに駅で降りたあと、被害者が駅員に相談している隙に逃走しました。後日、防犯カメラの映像などから容疑者を特定されたとのことです。
このコラムでは、駅や電車から逃走した犯人の特定方法、そのリスクについて解説します。
2 電車・駅構内から逃走した犯人の特定方法
電車や駅から犯人が逃走する事例というのは、それなりにあります。
だいたいは、怪しい様子で走っていますから、途中で見つかって逮捕されます。しかしながら、この事例のように、逃走が成功することもあります。
そして、逃走が一時的に成功しても、この事例のように、防犯カメラの画像から犯人が特定されることがあります。
たとえば、駅の改札からSuicaなどのICカードを使って出場した場合は、監視カメラを使って、犯人らしい人の出場タイミングとICカードのデータを照合し、本人特定できることがあります。
ICカードで本人特定ができない場合は、周辺の監視カメラの映像を取り寄せて、同じような人(身長・服装・歩き方など)を割り出していき、その人を特定する情報を見つけ出して本人特定をしていきます。
3 逃走した場合のリスク
現在、首都圏のスマートフォンでの盗撮事件は、犯人が容疑を認めている場合に逮捕されることは少ないです。
一方で、容疑を認めなかったり、逃走した場合は、逮捕の可能性が格段に跳ね上がります。
この事案も、逃走したことを重視されて逮捕されたものと考えられます。逮捕されると、実名報道の可能性もあり、取り返しがつかなくなることもあります。
4 もし盗撮をしてしまったら
もし盗撮をしてしまっても、逃走することは避けたほうがよいでしょう。
その上で、早めに弁護士に相談し、前科を回避できるようアドバイスを求めるのがよいでしょう。
執筆者情報
杉浦 智彦Tomohiko Sugiura
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士