痴漢の経験はあるが、事件となっているものの記憶がない場合はどうするのが最適か、弁護士が解説します

1 報道の概要

報道によると、2022年10月21日、新潟市中央区を走行中の列車の中で、10代の女性に痴漢行為をしたとして、40代の会社員の男が逮捕されました。

男は調べに対し「電車内で痴漢をしたことはあるが、逮捕された事実は自分がやった痴漢なのか分からない」と容疑を否認しています。

このコラムでは、痴漢をしてしまった経験があるが、事件の日にした記憶が曖昧な場合に、どう立ち回るのがよいか、弁護士が解説します。

 

2 はじめて痴漢をして捕まる人は稀

あくまでこれまでの経験を踏まえてというところですが、生まれて初めて痴漢行為をして、それで警察のお世話になったという事例は少数だと思われます。

大多数は、これまで何度も痴漢行為をし、たまたま被害者や第三者に咎められて発覚するというものになります。

そのため、現行犯の場合は別にして、この報道のような「痴漢をやったことは間違いないが、この日にやったか曖昧だ」ということは、本当によくあります。

 

3 その日に犯行を行ったか記憶がない場合

その日に犯行を行ったか記憶にない場合、どう対応したらいいのかというのは、とてもむずかしい問題です。なぜならば、他の犯人による犯行の可能性が残されているものの、その犯行を実際に行ってしまった可能性もあるからです。

そのため、あくまで、「仮に私がその立場ならば、どのように立ち回るか」という前提で回答します。

まず、事件を自白することはできないでしょう。曖昧なことを答えても、後で答えに窮することになることが目に見えていますし、後から自白を撤回することも困難だからです。

そのなかで、すでに逮捕されているならば、何も答えず黙秘することになるでしょう。黙秘すれば、証拠があれば起訴されますが、証拠が不十分であれば不起訴となるところです。

仮に逮捕されていないのであれば、黙っていると証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕されることがあるので、それは避ける必要があります。それを考えたときに、「明確な記憶はないが、証拠があるならばそうなのだと思う」という回答をするのだろうと思います。逮捕の可能性を消し去ることができるわけではないですが、誠実に回答をしていることを示すためにも、①記憶がないこと、②「証拠があれば」という条件をつけて回答をするのがよいのだろうと思われます。

なお、とくに逮捕されている場合は、ある程度しっかりとした証拠が残っていることが多いです。そのため、不起訴を勝ち取るため、示談を目指すことも検討していくべきだといえます。

 

4 まとめ

今回は、痴漢を複数回行っていて、立件された事件の記憶が曖昧な場合の対応方法を解説いたしました。もし痴漢行為をしてしまったら、当事務所にまずはご連絡いただくようお願いします。

 

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執筆者情報

杉浦 智彦Tomohiko Sugiura

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士