面識のない女児の体を触ったとして、暴行容疑で男性を逮捕したとの報道!?
1 報道の概要
公衆トイレの個室で面識のない女児の体を触ったとして、福岡県警は9日、暴行容疑で23歳の男を逮捕した。
警察によると、男は昨年8月、福岡市内の公園にあるトイレの個室内で、小学生の女児(当時8歳)の尻を触った疑いが持たれている。
女児は、近くにいた男にトイレの流し方を尋ね2人で個室に入ったところ、尻を触られ近くを通りかかった知人女性に助けを求めたという。男は7月下旬に別の少女の腕をつかんだとして暴行容疑で逮捕されており、捜査の中で関与が浮上したという。
男は「触ったことは間違いありません」と容疑を認めている。
2 臀部を触る行為と成立する罪
本件では臀部を触るという行為について、暴行罪で逮捕されています。
これについて、臀部を触ったのであれば性犯罪が成立するのではないか、と思う方もいるでしょう。これについては正にそのとおりであり、臀部を触ったことによって痴漢行為として迷惑防止条例違反の罪や、強制わいせつ罪が成立する場合もあります。
もっとも、これらの罪が成立するかの判断は時として難しく、特に犯行態様が臀部に触れたというものであるときには、詳細な事情によって同罪の成立が左右されることもあります。
そのため、まずは成立の固い暴行罪で逮捕されたものと考えられます。
3 想定される今後
上述のとおり、事情によっては、今後、暴行罪以外の罪で処分される可能性もあります。
捜査の結果、検察官が強制わいせつ罪で起訴できると判断すれば、同罪によって起訴されることもあり得ます。
仮に強制わいせつ罪で起訴されると、同罪の法定刑は懲役刑だけのため、必ず公判請求されることとなります。
4 弁護活動について
暴行罪と強制わいせつ罪では、罪の重さに雲泥の差があります。
そのため、弁護人としては起訴前の段階から、あくまでも暴行罪の成立にとどまると主張していくことが一つの方向性として考えられます。
起訴されてからでは遅きに失したともいえるので、このような事案では早期に刑事弁護を得意とする事務所に相談すべきでしょう。
執筆者情報
越田 洋介Yosuke Koshida
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士