電車で痴漢容疑の警視庁の警部補を東京地検が不起訴にしたとの報道!?

1 報道の概要

電車で女性の尻を触ったということで、東京都の迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕後、釈放されていた、警視庁の30代の男性警察官について、東京地検は不起訴とした。

東京地検は不起訴の理由について明らかにしていない。

以上の事案をもとに、問題となる法的論点を解説します。

 

2 現行犯逮捕後の釈放

現行犯逮捕された後、特に勾留等されずに釈放される例は多いです。10年ほど前は、そのまま勾留されるケースが多かったのですが、痴漢の冤罪などが世間でも大きく取り上げられ、また裁判所での無罪判決なども出るようになってからは、悪質性の高いもの以外は、痴漢の初犯では釈放されることが普通と言えます。

逆に言えば、初犯の痴漢事件で釈放されず、勾留などとなった場合には、それなりの理由があるのではと、慎重に考える必要があります。

 

3 警察官の扱いについて

公務員の痴漢事件の場合は、他の職業と比べて、新聞報道など厳しいものがあります。更に警察官ともなれば、より風当たりが厳しくなります。本件の様に、勾留されずに釈放されたような場合には、通常は報道等されません。まして、不起訴になったという時点での報道など考えられません。本件は、警察官だからこそ、そのような取り扱いがなされたと言えます。

なお、本件が不起訴となったことで、警察官だから大目に見て貰ったということは、考え難いです。初犯の痴漢事件の場合、示談が成立して、被害者が「処罰を望まない」と言ってくれさえすれば、まず間違いなく不起訴となります。

 

4 本件の弁護活動

本件は、被害者のいる犯罪なので、示談をすることがまずは大切な案件と言えます。

また、このような案件では、報道後に職場での問題も生じて来ます。本人が勤務を続けるつもりなら、弁護士として職場との話し合いなどについても、サポートしていくことになります。

 

5 痴漢事件を起こした方へ

弊所では、多くの痴漢事件の弁護をお受けしてきました。検察官との交渉や被害者との交渉など、多くの経験に基づくサポートをしております。

痴漢事件などでお悩みの方の相談をお待ちしています。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士