朝の電車で、酒に酔った女性を介抱するふりして痴漢との報道!?
1 事件の概要
埼玉県の越谷署は、準強制わいせつの疑いで、会社員の男(39)を逮捕しました。逮捕容疑は日曜日の午前6時45分ごろ、東武伊勢崎線下り列車内で、20代の女性を触った疑いです。同署によると、ナンパをしようと乗車していた男が、酒に酔って座っていた女性に介抱を装って近づき、10分間にわたり体を触るなどしたようで、容疑を認めています。
以上の事案をもとに、問題となる法的論点を解説していきます。
2 事件の発覚
電車の中や、駅で、酔った人を対象とした犯罪は多発しています。本件のような痴漢事件だけでなく、置き引き事案や、痴漢した後から、盗みを働くなどの手口があります。
ただ、このような事案では、酔って意識のない人を本当に心配して介抱しているのか、犯罪を働くつもりで近寄っているのか分かり難いです。そこで警察も、早朝帯に駅や電車内を見回り、不審者がいないかを確認しています。本件もそのような形で発覚したものと思われます。
3 無罪の主張
ただ、「本当に介抱していた」と、無罪を主張する人は相当数います。
実際、そのような形で争われた事案も多いです。そう言う場合は、そもそもなぜ、日曜日の早朝に電車に乗っていたのかという点が問題となります。そこに対して、納得のいく回答がないと、当初よりチャンスがあったら痴漢行為を働く意図があったのではないか判断されやすいのです。
本件では、ナンパのために電車に乗っていたという説明を、本人がしているようだが、常識的にはなかなか受け入れ難い説明だと思われます。
4 本件の弁護活動
本件は痴漢の事実を認めています。そうであれば、まずは被害者様に謝罪し、損害賠償を行うのが、一番の弁護活動となります。
被害者様に十分な補償をし、「刑事処分を望まない」と言って貰えれば、不起訴となる可能性も十分にあります。
5 痴漢事件を起こした方は、すぐにご相談ください
弊所では、多くの痴漢事件の弁護を手掛けています。
そのための検察官との交渉や被害者との交渉など、不起訴処分を勝ち取る活動を中心に、サポートをしています。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士