痴漢の容疑者が約半年後に逮捕。その場から逃げた場合、どのくらいで警察が自宅に来るの?

1 事件の概要

埼玉県の鴻巣署は2021年10月27日、準強制わいせつの容疑で、桶川市坂田、美容師の男(44)を逮捕しました。

逮捕容疑は、2021年5月6日午前0時半ごろ、JR高崎線電車内で、座席で熟睡していた県内在住の20代アルバイト女性を触った疑いがあるとのことです。同署によると、触られたことに気付いた女性が110番をしたが、男は逃走したとのことです。防犯カメラなどから犯人が特定されたとのことです。

 

2 痴漢の逮捕事例は減っている

最近は、痴漢の逮捕事例が減っているように思います。

私の事件取り扱いの肌感覚では、認めていて逃げない案件であれば逮捕まではされないことのほうが多いように思います。痴漢は、「迷惑行為防止条例」という条例違反で検挙されることが多いのですが、「迷惑行為防止条例」の身柄拘束の割合は、38.7%(令和2年版犯罪白書参照)で、痴漢事件は認めていなかったり、その場から逃走する事件もそれなりにあることから考えて、統計結果は肌感覚とズレはないように思います。

ただ、多くの逮捕案件は、現行犯逮捕で、後日逮捕は少ないように思います。

 

3 後日逮捕される場合

後日逮捕される事案は、多くはその場から逃走している場合です。その場で認めている案件で、後日逮捕されることはまず考えにくいです。

監視カメラ、ICカード、DNAなどの事情から、犯人の特定を進めていることが多いです。

なお、後日逮捕までの期間は、早くて一週間、半年~1年くらいかかることも多いように思います。時間がかかる案件は、監視カメラから特定しようとする事件に多いように思います。

 

4 あなたが痴漢をして現場から逃走してしまったら

現場から逃走した事件は、警察も躍起になって犯人特定を行います。しかも、ノウハウが蓄積されてきているので、それなりの確率で逮捕されているように思います。

もしあなたが痴漢をして現場から逃走をしてしまったら、お早めに法律事務所に行き、自首をして、逮捕を避けるための行動を取るべきだといえるでしょう。

 

 

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執筆者情報

杉浦 智彦Tomohiko Sugiura

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士