4年前のアイス等の万引きで外国人が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
4年前にスーパーでアイスクリームや化粧品計28点(4万円相当)などを万引したとして、窃盗の疑いで、ベトナム国籍の男が逮捕された。
警察によると、男が保冷バッグに商品を入れる場面を、同店の男性警備員が目撃。店外に出てから男性が声を掛けると、男は盗んだ商品を捨てて逃走したという。現場の防犯カメラや指紋採取に基づく捜査のほか、外国人労働者がいる仕事場への聞き込みなどから、発生から4年を経て逮捕された。
警察の調べに対し、男は「アイスは自分で食べたかった。他の商品は母国の家族に送りたいと思った」などと容疑を認めているという。
以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説します。
2 万引きの4年後の逮捕
万引きの場合は、基本的には現行犯でないと逮捕されませんでした。犯行の立証が難しいこともありますし、被害額がそれほど大きくないので、警察がそれほど真剣に捜査しなかったということもあります。
ただ、現在では防犯カメラなどが普及しているので、それらの資料を確認することにより、万引きの犯行を立証することも比較的容易になってきました。また、万引きの場合でも、何度も繰り返されているような事案では、警察でも本気を出して、過去の犯行について逮捕、立件する事案も相当数出てきています。
3 外国人の特殊性
外国人であっても、刑法違反の場合は、日本国民と基本的には同じように罪に問われます。ただ、日本人は罪を犯しても、日本人である以上、日本にそのまま住み続けることができます。一方外国人の場合は、有罪となると本国に強制送還される可能性が高くなります。
そのため、刑事弁護についても、強制送還を防ぐことなども、視野に入れて行うことが必要となってきます。
4 本件の弁護活動
本件は被害者のいる犯罪なので、被害賠償と示談が必要となってきます。ただ、大手スーパーなどの場合は、基本的に示談には応じてくれない場合が多いです。せめて盗品の買取という形で、商品代金を受け取ってもらうことが大切になってきます。
本件では特に、日本での在留が続けられるのかという問題もあります。それを考えると、何とか軽い処分で済むように、検察官に働きかける必要があります。
5 窃盗事件を起こした方は、すぐにご相談ください
弊所では、多数の窃盗事案の弁護活動を行ってまいりました。
被害者との示談交渉、治療としての入院、雇用者や親族などとの連絡、今後の更生のための手助け、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士