ショッピングセンターで、ウィスキーなど2点を万引きしたとして女が逮捕されたとの報道!?
1 事件の概要
令和3年8月15日午後4時半ごろ、札幌市中央区の大型ショッピングセンターで、ウィスキーなど2点(販売価格計およそ3000円)を万引きしたとして女が逮捕されました。
警察によりますと、60~70代とみられる女が手提げ袋にウィスキーなどを入れたところを、私服の警備員が目撃し、そのままレジを通さずに店の外に出たため、捕まえて通報したとのことです。
取り調べに対して女は「大変申し訳ないことをした」などと話し、容疑を認める一方、氏名や住所などを明かすことを拒んでいるということです。警察は女の身元の確認をすすめるとともに、余罪も含めて調べています。
2 本件で成立する犯罪について
本件は、万引き事案ですので、窃盗罪が成立します。
逮捕された女は60~70代とみられており、近年、65歳以上の高齢者の犯罪者が増加傾向にあることが問題とされています。そして高齢者の犯罪のなかでも万引きが約8割を占めているという報告もされています(高齢者による万引きに関する報告書)。
高齢者の犯罪が増加した背景には様々な要因が考えられますが、主要なものとしては、①高齢者の人口の増加、②生活困窮などの経済的要因、③記憶や認知機能の低下、④社会関係性の欠如からくる孤独や不満、ストレスなどが挙げられています。
どの要因もいますぐに改善することは難しい問題ですが、日本の高齢化はこれからも進んでいくでしょうから対策をしていくことが重要といえます。
3 逮捕後の流れ
逮捕された女は、容疑を認める一方、氏名や住所などを明かすことを拒んでいるということです。氏名や住所を秘匿すると、「逃亡のおそれ」や「証拠を隠すおそれ」があるとして、逮捕されてしまいます。
逮捕後に身元が判明したり、親族などが身元引受人になる場合には釈放されるケースもありますが、そういった事情がない場合はこのまま勾留されてしまうでしょう。
勾留されれば原則10日間最長20日間警察署の留置施設などに身柄を拘束されてしまいます。余罪が立件されればその期間はさらに延長されていきます。
勾留期間が満了しましたら、検察官が処分を決めます。被害店舗と示談ができて不起訴が決まればそのまま釈放されますが、公判請求(正式な裁判)をされると身柄拘束はさらに続くことになります。
4 弊所の弁護方針について
本件のような窃盗罪は、被害弁償と示談を締結することが何よりも重要になります。
本件の被害金額はそこまで大きくありませんが、被害店舗によっては示談には応じないという対応をとられるところもあります。その場合には、物品の買取りや被害弁償だけでもさせていただくのがベストといえます。
窃盗罪の初犯であれば、示談ができれば不起訴となります。買取りや被害弁償でも不起訴となることは十分にあり得ます。逮捕・勾留されて身柄が拘束されてしまうと勾留期間中にこれらの活動を行う必要がありますので、時間との勝負となります。当事務所は迅速に示談交渉を開始し、早期の示談締結に向けて弁護活動を行います。
また身が拘束をされてしまうと外部との連絡もままならなくなりますので、頻繁に接見交通権を行使し、被疑者の方のご要望をご家族や仕事場などに伝え、社会復帰に向けてのサポートもしっかりと行います。
もしご本人やご家族が刑事事件を起こしてしまいましたら、まずは当事務所までご相談ください。
執筆者情報
下田 和宏Kazuhiro Shimoda
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士