女子トイレに侵入したとして、建造物侵入の疑いで男が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
勤務中に駅構内の女子トイレに侵入したとして、兵庫県警は19日、建造物侵入の疑いで阪神電鉄の駅員の男(19)を逮捕した。男は「盗撮するために入った」と容疑を認めているという。
警察によると、女子トイレの個室に入っていた10代女性が、天井の隙間から差し込まれたスマートフォンに気づき、駅へ届け出た。
通報を受けて駆け付けた警察官が駅構内の防犯カメラを調べたところ、女性客の後をつけてトイレに入る男が確認されたという。
2 盗撮で建造物侵入とは
本件で被疑者は盗撮行為を働いていますが、逮捕容疑は建造物侵入です。
これは、建造物侵入罪は「正当な理由がない」のに建造物等に立ち入った場合に成立する罪であるところ、盗撮目的のような違法行為を目的としている場合には、当然ながら「正当な理由がない」と判断されるためです。
3 盗撮行為も罰せられる
このように、逮捕容疑そのものは建造物侵入ですが、当然ながら盗撮行為自体が不問になるわけではなく、建造物侵入と盗撮行為の二つについて罰せられることになるでしょう。
なお、一般的な女子トイレ侵入での盗撮の場合、盗撮行為のみ起訴されて、建造物侵入は起訴されないという処理の仕方も少なくありません。
本件では被疑者が犯行現場の駅の駅員であるという事情があるので何とも言えませんが、同様に盗撮行為のみが起訴されるということは考えられます。
4 盗撮事件では示談が重要
盗撮事件では、被害者様との示談が成立するかが非常に大きな要素となります。示談が成立すれば、不起訴処分となるのが一般的です。
もっとも、事件の性質によっては示談が非常に難航する場合があります。その一つが、盗撮の態様が悪質な場合で、その悪質さ故に被害者様が処罰を強く望み、結果として示談が成立しないというものがあります。
本件も、駅員による駅構内のトイレでの盗撮行為ということで、態様は悪質ともいえ、示談が難航することもあり得ます。
もっとも、そのような場合でも示談を諦めるべきではありません。そのような場合こそ、刑事弁護人の出番といえます。我々はこれまでに行った刑事弁護の経験に照らして、どのようなお話をすれば被害者様に話を聞いてもらえるか、どのような説得方法をすればお許しもらえるか、交渉の仕方、時期、提案内容等を吟味し、粘り強く示談交渉を行います。
これまでにも、交渉初期では被害者様にお話を一蹴されてしまったものの、粘り強く交渉を継続することで、最終的には示談成立に至ったという案件がいくつもありました。
刑事事件で示談を成立させるには、専門の知識と経験が必要となります。
刑事事件を起こしてしまいお悩みの方は、ぜひ弊所までご相談ください。刑事事件専門の弁護士がお力になります。
執筆者情報
越田 洋介Yosuke Koshida
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士