「リレーアタック」で高級車160台を盗んだとして、男女15人が逮捕されたとの報道!?

1 事件の概要

報道によると、車に近づくだけでカギが開く電子キーの電波を悪用した「リレーアタック」と呼ばれる手口で高級車を盗んだとして、兵庫県警が男女15人を窃盗容疑で逮捕、送検していたことが、捜査関係者への取材でわかりました。被害は兵庫、大阪、京都など6府県で計約160台(総額約7億円相当)に上るということです。

盗まれたのは、トヨタの「アルファード」(約700万円相当)、「ランドクルーザー」や「レクサス」の車などであり、犯人らは、盗んだ車に同車種の車体番号を付け替え、不正に車検登録して正規の中古車に偽装し、暴力団関係者らに売却していたということです。

※リレーアタックは、特殊装置を持った人物が、他人の家の中などにある電子キーの微弱電波を外部から増幅させる手口。車に「近くにキーがある」と誤認させ、別の人物がドアを開けてエンジンを始動させて車を盗んでいたとみられている。

 

2 本件で成立する犯罪について

本件は、窃盗罪が成立する事案です。

窃盗罪は他人の財物を窃取する犯罪です。本件の手口は「リレーアタック」といわれる特殊な手口ですが、他人の所有物である車を盗んでいるので窃盗罪に該当することは間違いありません。

窃盗罪は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

本件のように被害金額が大きく、かつ暴力団関係者らとの繋がりもあるとなれば、仮に初犯であっても実刑になることが予想されます。

ただし、「リレーアタック」の手口は、複数の人間が関与していると考えられるため(少なくとも2人以上)、役割、関与の程度、上下関係の有無や車を売却して得た利益の分配によって刑期の長さには差が生じるものと考えられます。

本件では男女15人も逮捕送検されていますので、それぞれの役割などに応じて判断が分かれるところだといえます。

 

3 弊所の弁護方針について

窃盗罪をはじめ被害者がいる事案については、被害弁償と示談を締結することが何よりも重要になります。

本件のように被害金額が大きく、かつ関与した人間が多い事案では、被害者全員に全額の被害弁償や示談をすることは現実的ではないでしょう。

しかし、その中でもできる限りのことはやるべきですので、例えば、被害弁償の一部としてでも被害者の方にはお支払いをするなどの対応をするのがよいでしょう。

示談や被害弁償の交渉は、弁護士を入れないと応じていただけないことがほとんどですので、早期に弁護人を選任し、適切に交渉を進めることが重要です。

もしご自身やご家族が窃盗事件にかかわってしまった場合は、当事務所までご相談ください。

 

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執筆者情報

下田 和宏Kazuhiro Shimoda

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士