女性スポーツ選手の下着が透けて見える動画をインターネットで販売し、女性の名誉を傷つけたとして、名誉毀損容疑で、50代男性が逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

2018年11月から今年3月にかけて、女性スポーツ選手の下着が透けて見える動画をインターネットで販売し、女性の名誉を傷つけたとして、千葉県警サイバー犯罪対策課は、名誉毀損容疑で、50代男性を逮捕しました。

この動画の説明欄に「この作品は盗撮風動画です」などの記載がされていたとのことです。

逮捕の経緯は、県警のサイバーパトロールで発覚したとのことです。

 

2 オリンピック前で性的な動画摘発が進んでいます

女性アスリートの画像が性的な目的でネット上に拡散される被害を巡っては、日本オリンピック委員会(JOC)などのスポーツ関係団体が2020年11月に被害防止を訴える声明を発表していました。

今年5月にはテレビ局が放送したアスリートの画像をアダルトサイトに無断で掲載したとして警視庁がサイト運営者を著作権法違反容疑で逮捕。運営者は罰金60万円の略式命令を受けたという事件もありました。

オリンピック直前ということもあり、警察も、このような動画の摘発を本格化させています。

 

3 なぜ名誉毀損になるのか?

名誉毀損罪は、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損することで成立します。要するに、不特定多数の人に、ある人の名誉を下げるような事実を示すことが要件になります。

一見して、盗撮なのに名誉毀損になるのか?と疑問に思う人もいるかもしれません。今回の名誉を下げるような事実はどれなのでしょうか。

過去、露天風呂で盗撮され、そのビデオテープを販売したことが名誉毀損として処罰された事例があります(東京地方裁判所平成14年3月14日判決裁判所HP掲載。裁判官木口信之)。

その事例の判決では、「本件ビデオテープに上記K子ら3名(※被害者)の全裸の姿態が録画されているという事実」が名誉を下げる事実だと判断しています。いわゆるエロビデオに全裸の姿が録画された場合、撮影された女性がだれかが分かれば、その女性が周囲の人たちから好奇の目で見られたり、場合によっては嫌悪感を抱かれるなどするだろうということです。

さらにその判決では、「実際に盗撮の方法で撮影されたものか、一見しただけでは明らかではなく、事情を知らない者が見れば、撮影されている女性が、不特定多数の者に販売されるビデオテープに録画されることを承知の上、自ら進んで裸体をさらしているのではないかという印象を与えかねないものになっている」ということも言っており、ビデオテープに映っているという事実から、その印象をもたせることも示しています。

今回も、盗撮風動画に映っていることそれ自体が名誉を下げる事実と判断して逮捕されたのではないかと推測します。そして、盗撮風動画に下着姿で映っていることで、周囲の人から好奇の目で見られるだろうということに加え、説明欄に「この作品は盗撮風動画です」と書いていたがために、「このような下着の透けて見える盗撮風動画の制作や販売に協力している」という印象も与え、名誉を傷つけるだろうということなのだと思われます。

 

4 購入者も逮捕される?

購入者は、名誉毀損に該当しないでしょうから、逮捕などされることは考えにくいでしょう。

ただ、販売した事実を証拠とするために、警察から事情聴取を受ける可能性はあるでしょう。

 

5 販売してしまったら?

もし同様の動画を販売してしまっていたら、同様に逮捕される可能性は否定できません。特に、盗撮風動画という形で販売をしてしまっていると、より摘発の可能性は高まるでしょう。

逮捕を避けるためには、自首が有効です。

もしご不安な場合は、来所の上で相談されることをおすすめします。

 

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執筆者情報

杉浦 智彦Tomohiko Sugiura

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士