居酒屋経営者の女が客に暴行し、逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
長野県中野市で、居酒屋の経営者が客の女性に暴行したとして逮捕された事件で、病院に運ばれた女性が死亡しました。この事件は市内在住の男性が経営する居酒屋の店内で、客として訪れていた女性に対して、押し倒すなどの暴行を加え、けがをさせた疑いで逮捕されたものです。女性は、床に頭を強く打つなどして、意識不明の重体で中野市内の病院に運ばれ治療を受けていましたが、死亡が確認されました。2人は顔見知りで、男性は、「口論になった」などと話しているということです。
2 傷害致死罪の捜査、刑事処分等
傷害罪は、人に対し暴行を加え、その結果、相手がけがをした場合に成立する犯罪で、法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。さらに、結果として死亡した場合、傷害致死罪として、3年以上の懲役となります。
傷害致死罪の法定刑は3年以上ですから、下限(3年)にならない限り、実刑となります。
人を死に至らしめる重大犯罪ですので、早期の釈放は期待できません。
また、裁判員裁判の対象事件のため、裁判の進行を整理する手続(公判前整理手続)が必要的に行われ、起訴から裁判までは、短くとも3カ月程度はかかります。
3 弁護活動
傷害の場合、被害者との示談が重要ですが、傷害致死の場合は、被害者が死亡していますから、被害者自身ではなく、その御遺族との間で示談交渉を行うことになります。
仮に示談が成立したとしても、人が死亡していることから、通常、不起訴となることはありませんし、実刑となる可能性が高いと言えます。
しかしながら、被害者感情や、事件の経緯などを丁寧に主張することで、執行猶予が付される場合もあります。また、裁判員裁判という一般の方が参加する裁判ですので、いかに主張を分かりやすく整理するか、また、裁判員に説明するかという点が非常に重要です。
当事務所では裁判員裁判の経験も多数有していますので、お早めにご相談ください。
執筆者情報
石崎 冬貴Fuyuki Ishizaki
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士