飲食店の女子更衣室に盗撮目的でスマートフォンを設置したとして、従業員の男が県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたとの報道!?
1 事件の概要
山形県で、飲食店の女子更衣室に盗撮目的でスマートフォンを設置したとして、その飲食店で働いていた従業員の男が県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されました。
盗撮などの規制場所や行為を拡大するなどした改正条例が2月に施行されて以降、適用された初の事例となりました。
2 盗撮行為の規制根拠
盗撮行為については、「刑法」ではこれを規制し罰する定めがありません。
そのため、各都道府県ごとの条例で代わりにこれを定め、取り締まっています。
各条例の名称は区々ですが、どこの条例も通称ないし略称として「迷惑防止条例」と呼ばれています。
3 条例の改正による規制内容の変化
条例は、その特徴として、法律よりも改正が容易な点が挙げられます。
そのため行政としては、社会情勢や犯罪傾向の変化に応じて臨機応変に条例を改正し、これに対応していきます。
報道の概要にあるとおり、山形県でも条例を改正し、これまでは規制対象となっていなかった場所や行為も規制対象した結果、今回の犯行が条例違反として検挙されるに至りました。
4 盗撮の取締りは厳しくなっている
スマートフォンの普及や、技術面での進歩等により、以前と比べて盗撮ができる場所・方法が増えているといえます。
当然、行政としてもこの点を問題視しており、条例を改正して規制対象を拡大する傾向が全国的にみられます。
今回の山形県の条例の改正も、規制の対象を、不特定多数の人が出入りする「公共の場所や乗り物」に限定されていたものを、学校や住宅などの更衣室や浴場なども規制対象とするものでした。
今後も、条例の改正によってより取締りが厳しくなっていく可能性はあり得ます。
5 盗撮行為をしてしまった方はご相談ください
盗撮は現行犯で事件化することが多いです。しかし、犯行からしばらく経ってから事件化するケースも決して少なくありません。
警察が、防犯カメラの映像解析や被害者の特定などの捜査を遂行し、証拠を揃えてから事件化するというパターンです。
そしてその場合でも、逮捕や家宅捜索を受ける可能性があります。
そのような事態となれば、生活に対する影響は甚大です。
この点、警察から追及を受ける前に弁護士の支援のもと自ら自首等をすることで、逮捕等を回避することもできます。盗撮行為をしてしまって悩んでいるという方は、一度ご相談ください。
執筆者情報
越田 洋介Yosuke Koshida
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士