女性教師の靴を盗んだとして、窃盗容疑で男性が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
2021年4月23日、愛知県警察により窃盗の容疑で逮捕されていた男が、名古屋地方検察庁により不起訴処分となったとの報道がなされました。
男は、音楽教室などで、女性教師の靴(パンプス)を盗んだなどの疑いが持たれていたようです。
被害者に気付かれないように、「同じタイプの靴と交換する」という手法をとっていたようで、「女性の履いた靴が好きだった。においをかぎたかった」などと話しているようです。なお「古い靴を新しい靴と入れ替えた」としても、「古い靴を取ってしまった」点で窃盗罪が成立することには変わりがありません。
2 不起訴処分とは?
そもそも不起訴処分とは「犯罪の疑いはあるけど、罰金や懲役などの刑罰は科さない処分」などをいいます。
今回の件は、特に被害者への謝罪やいわゆる示談などはなされていないようですので、罰金や懲役などの刑罰が科されてもおかしくなかったと思います。
では今回は、なぜ不起訴処分になったのでしょうか?
一般的に、検察庁が加害者を起訴するどうかの判断の際、被害者の意向も重要視されます。その際被害者は警察や検察から事情聴取を受けることになりますし、仮に起訴されるとなると「起訴状」に名前が載り、それは加害者に知られてしまうことになります。
今回の件は、報道によると、被害者が「気持ち悪い」として事情聴取にも応じたくなかったという意向があったようで、ましてや起訴状に自分の名前が載ってしまうのを避けたかったのではないかと推測されます。そもそも被害届を取り下げた被害者もいるようです。
一般感覚としては、当然のお気持ちと言えるでしょう。
3 窃盗罪が成立した場合の通常の流れ
今回の件はいわば「特殊なケース」として、特に被害者への謝罪などを行わずに不起訴処分となったようです。
ですが通常は、窃盗罪が成立すれば、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に科される可能性が高いです。
刑罰云々にかかわらず被害者への謝罪は精一杯すべきだと思いますが、上記のような刑罰を避けるためにはなおさら、被害者にしっかり謝罪を行う(いわゆる示談)ことにより、刑罰を避けて不起訴処分の獲得を目指すことが重要となります。
4 窃盗罪の場合に弊所でお手伝いできること
弊所では、これまで多数の窃盗事件を取り扱ってきております。
全ての件で共通しているのは、①被害者様にしっかり謝罪の意思をお伝えすること、②被害弁償(盗んだものやその値段に相当する金額をお返しすること)は当然のこと、可能であれば謝罪金もお受け取りいただくこと、③検察官との交渉により、出来るだけ刑罰が付くのを避け不起訴処分の獲得を目指すことです。
刑罰により前科がつくことを避けるため、弊所でお手伝いできることは必ずあると思います。
もしお悩みの場合は、まずは今すぐご相談ください。
執筆者情報
佐山 洸二郎Kojiro Sayama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士