水筒の中身をすりかえた暴行容疑で、高校生が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
岐阜県内の18歳の男子高校生が、今年の2月に、女子生徒の水筒の中身を別のものにすり替えて飲ませたとして、暴行の疑いで逮捕された。
女子生徒が味に違和感を覚えて学校に相談し、学校の関係者が警察に通報したことで発覚した。
すり替えられた中身は人体に危険が及ぶようなものではなかったため、女子生徒にけがはなかった。
2 暴行とはなにか?
本件では、「水筒の中身を別のものにすり替えて飲ませた」ことが「暴行」にあたるとして、暴行罪で逮捕されています。そんなことが暴行罪になるのか、と驚いた方もいるかと思います。
それではそもそも法律の世界における「暴行」とはどのようなことをいうのでしょうか。
これについて、法律書などではよく「人の身体に対する不法な有形力の行使」なんて説明がされています。しかし、これでは答えになっているのかなっていないのか、よく分かりませんね。
3 暴行の具体例
裁判所は「暴行」の概念をとても広く考えています。ちょっとしたことでも、暴行と認められることがあります。
例えば、殴る蹴るといった暴力はもちろん、服を引っ張る、塩を振りかけるといったことも暴行になるとされています。
また、何かを人の傍に投げつける、近くで非常に大きな音を出してショックを与えるといったことも、暴行として認められています。
4 いたずらでは済まない
このように、暴行罪は非常に広い範囲で成立しうる罪です。
行った本人としては、怪我をさせるつもりもなく、単にいたずらをしただけのつもりでも、暴行罪に問われることは十分にあり得ます。
また、本件では、もし被害者の女子生徒が体調を崩したりすれば、より重い傷害罪が成立した可能性もあります。
本人にとっては軽いいたずらのつもりであっても、時として重大な犯罪となるかもしれないのです。
5 暴行事件を起こしてしまった人は、すぐにご相談ください
本件でもそうであったように、暴行罪は逮捕もされうる部類の犯罪です。もっとも、逮捕に先立って自ら警察に出頭することで逮捕を回避したり、逮捕されてしまっても、速やかに被害者の方と示談することで身柄を解放してもらうことも可能です。
そしてその際には、弁護士による助言と協力が非常に有用となります。
暴行罪となりうるような事件を起こしてしまったという方は、すぐにご相談ください。
執筆者情報
越田 洋介Yosuke Koshida
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士