自称80歳無職の女性が、店員を殴ったとして現行犯逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

自称80歳無職の女性が、飲食店でアルバイトをする女子高生(16歳)の顔を店内で殴り、口に軽傷を負わせたとして現行犯逮捕されたという報道がありました。警察によれば、女性が飲食店内に飲み物を持ち込んでいたことを女子高生が注意した際に、いきなり女子高生の顔を殴ったとのことです。女性は取調べに対して「殴っていない」と話し、容疑を否認しているようです。

今回は、この報道を前提に、傷害事件の刑事弁護活動について解説致します。

 

2 傷害罪とはどのような罪か?

「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または十万円以下の罰金に処する。」これが、傷害罪と言われるものです。

例えば、人の顔を殴った場合、今回の容疑のように、殴ったことで口に軽傷を負わせただけでも、傷害罪になってしまいます。また、隣に住んでいる人に騒音で迷惑をかけ続けて、隣人が心身の健康を害したときにも、傷害罪になってしまいます。

このように、簡単なケガだけでも傷害罪になってしまう可能性は高いです。今回の事件で、殴って口に軽傷を負わせたことが事実だとするならば、初犯であれば罰金刑、同種前科などがあれば正式裁判の上で懲役刑を検察から求刑される可能性が高いでしょう。

 

3 「やっていない」はどこまで通用するか?

今回、自称80歳の女性は、「殴っていない」と主張しています。一方で、店が警察に事件を通報して、被害にあった女子高生が「あの人、犯人」と現場で告げたことで、女性は現行犯逮捕されたそうです。

報道の事情からすると、今回の事件では、「やっていない」という主張が認められるのには、相当高いハードルがあります。なぜならば、非常に多くの証拠が残っていると考えられるからです。まず、女子高生自体のケガがはっきり存在しています。また、飲食店内での犯行は、防犯カメラ映像に映っている可能性も十分にあります。さらには持ち込んでいたとされる飲み物を所持などしていれば、「あの人、犯人」という言い分は証拠に裏付けられてしまうのです。

 

4 傷害事件での弁護活動

依頼者が「やっていない」という主張を続ければ、弁護人はそれを尊重し、誠実にやっていないことを前提に弁護をしていきます。

また、今回、女性は逮捕されています。容疑を認めない場合の逮捕は、長引くのが基本です。弁護人は、身体解放に向けた弁護活動も行います。

さらに、傷害事件では、示談交渉をすることが肝心です。被害者に反省の意をお伝えし、治療費を含めた示談金を受け取って貰い、被害者に許してもらうことで、不起訴になる可能性が高く、起訴されても、執行猶予を得る可能性が上がります。被害者はご本人と会いたくないというのがほとんどですので、弁護人が間に入って、示談成功に向けて尽力します。

そして、依頼者がお住まいの街で事件が起きてしまった場合、実名報道がされてしまったり、ネットで本名が特定されたりすれば、生活にも大きな支障もあり得ます。弁護士は、依頼をもらえば、ネットの記事や報道を削除することを交渉することも出来ます

 

5 傷害事件を起こしてしまった方は弊所にご相談下さい

「お酒で気持ちが大きくなってしまった。」「突発的な喧嘩でついカッとなってしまった。」傷害事件は、ふとしたことで起きてしまうものです。そして、ご本人自身が後々冷静になって後悔され、ご相談を頂くことが多い事件でもあります。

弊所は、多くの傷害事件につき、示談交渉、記事削除交渉をはじめ、あらゆる弁護活動を行って参りました。

お悩みの際は、お一人で抱えず、弊所にまずご相談下さい。

 

執筆者・原田 大士の写真

執筆者情報

原田 大士Daishi Harada

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士