駅のエスカレーターでの盗撮で、市の職員が逮捕されたとの報道
1 報道の概要
JR菊名駅のエスカレーターで、女性のスカート内を携帯電話で盗撮した、県迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで、横浜市職員の男が現行犯逮捕されたとの報道があった。被疑者は「何で逮捕されたか理解できない」と容疑を否認しているという。
シャッター音に気付いた女性が携帯電話を見てスカート内が写っている画像を確認し、警備員と共に同容疑者を交番に連れて行ったとのこと。
この報道から、法的にポイントとなる点を説明していきます。
2 冤罪事件は生じないのか?
盗撮や痴漢では、よく冤罪事件が起こると言われています。本件でも本人は否定しているようです。ただ、盗撮事件の場合は、撮影したとされる携帯電話などの中身を確認して、盗撮写真が撮影されていない場合には、基本的に罪に問われることはありません。
逆に言えば、盗撮の証拠がある場合には、言い逃れができない状況ということです。
本件でも、スカート内を撮影した写真が発見されたようです。このような場合には、否定することは難しいと言えます。
3 盗撮事件では逮捕されるのが通常か?
今回は、写真が発見された中、事件を否認していることもあり、証拠隠滅等の恐れもあるということで逮捕されたものと思われます。罪を潔く認めていれば、逮捕されなかった可能性も否定できません。逮捕されるかどうかは、新聞報道という意味でも、大きな違いが出てきます。
逮捕の場合、警察発表があり、報道までされるのが通常です。これは、刑事罰よりもよほど大きなダメージを被疑者に与えます。
なお、市職員の場合、仮に逮捕されない場合でも、新聞等に報道されるケースがあります。それだけ、公務員に対する社会やマスコミの風当たりが強いということなのでしょう。
4 どの様な弁護活動がなされるのか?
盗撮事件の場合でも、冤罪ならばもちろん強く戦うべきです。その一方、無意味に事件を否定すると、かえってダメージが大きくなります。その辺の見極めが重要になります。
また、罪を認めた場合は、被害者への謝罪と示談、今後脅威を与えないための方策(当該電車の不使用等)、場合によっては治療行為なども、弁護活動として必要になってきます。
5 盗撮事件で逮捕されてしまったという方は、すぐにご相談ください
弊所では、これまでも、迷惑行為防止条例に該当する盗撮事件等を、非常に多くの弁護活動を行ってまいりました。
自首の同行、被害者との示談交渉、贖罪寄付、再犯防止のための措置、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士