下着窃盗の容疑で、配達員が逮捕された!?

1 報道の概要

マンション1階のベランダから女性用の下着4点を盗んだとして、32歳の男が警視庁に逮捕されたとの報道がありました。男はウーバーイーツの配達員で逮捕のきっかけは防犯カメラに映ったあの大きなバッグとのことです。なお、当該マンションを、配達で訪れていたといった事情は、特に報道されていません。

以上の事件をもとに、問題になりそうな諸点を解説します。

 

2 普通の窃盗罪との違い

女性の下着を盗むような事件は、それなりによく起こります。当事務所でも、何件も弁護活動をしております。下着を盗むというのは、性的な犯罪といえますが、刑法上は単純な窃盗罪として処断されます。それなら、普通の窃盗罪と全く同じかといえば、大きな違があります。それは、被害者側が「お金の問題ではない」として、簡単には示談どころか、損害賠償の話にも応じてくれないことです。

 

3 示談について

窃盗罪の場合、基本的に被害は金銭等財産です。犯人を許せないと思う一方、「まずはお金を返して欲しい」という気持ちになります。そこで、損害賠償をし、示談などが比較的できやすい犯罪といえます。

一方、性犯罪系の事案では、簡単には示談ができません。まさに「お金の問題ではない!」と言われてしまうことが多々あります。

下着の窃盗の場合も、まずは「気味が悪い」という気持ちがありますし、「目を付けられて、また狙われるのではないか」という気持ちにもなります。そこで、被害者の方との示談も簡単には行えません。例えば、示談金として引っ越し費用を負担して、初めて示談してもらえるなどということもあります

 

4 配達員の犯罪

今回の事件は、ウーバーイーツの配達員が起こしたものです。このような、配達員などが、配達などで得た知識を悪用して、事件を起こすことはよくあることなのか…。

そのような事件について、ニュースで見たり、中には判例として取り上げられているものもあります。その意味では、決してあり得ない事態ではありません。

しかし、少なくとも当事務所では、相当数の事件を扱っていますが、配達員としての知識を利用しての窃盗といった事案を担当したことはありません。おそらく、かなり稀な事案なので、起こるたびに大きく取り上げられることになるのでしょう

 

5 窃盗行為をしてしまったという方は、すぐにご相談ください

弊所では、これまでも、下着窃盗を含む多くの窃盗事件の弁護活動を行ってまいりました。 

自首の同行、被害者との示談交渉、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士