逮捕、勾留されたくない
勾留されるケースは
逮捕されても勾留されないようにするためには、検察官・裁判官にそれぞれに必要な情報を伝える必要があります。勾留の必要があると判断されてしまうのは、以下の2つの場合です。
1. 証拠隠滅のおそれがある場合
2. 逃亡のおそれがある場合
弁護士は検察官と裁判官に対して、被疑者がこれらをするおそれがないこと、それに加えて勾留が不必要であることを示す事情を伝えます。
痴漢や盗撮、暴行などの単純な事件では、しっかりと罪を認め、家族(最低限、会社の上司など)などによる身元引受や安定した職業があれば、検察官が勾留しない、または、裁判官が勾留請求を却下する場合も少なくありません。
また、被害者が判明している事件の場合は、弁護人を選任し、被害者への謝罪について、具体的な行動を起こしていることを伝えることも有効です。
勾留が認められた場合
勾留が認められてしまった場合は、勾留請求された日から、少なくとも10日間(最初の勾留は必ず10日間です。)は警察の留置所で身柄拘束されます。ただし、勾留に対しては、不服申立て(勾留決定に対する準抗告)もできますし、弁護士を通じて被害者との示談交渉を行うことも可能です。早期に示談が成立すれば不起訴となり、10日間を待たずして留置所を出ることができる場合もあります。
10日間の勾留では捜査が充分でない場合には、さらに、最大10日間、勾留が延長される可能性があります(延長については、10日より短い場合があります。)。
勾留期間中は、当然出勤できません。また、直接、欠勤の理由も説明できませんので、会社を解雇される可能性があります。しかし早期に釈放されれば、職場に復帰することも可能です。
なお、逮捕から勾留までの間は、原則として、弁護士しか接見できません。勾留された場合、接見禁止が付かなければ、誰でも面会できますが、一日一回(通常3名までは一度に同席可能)、日中、15分から20分程度という上限がある上、警察官も立ち会いますので、あまりしっかりと話すことはできません。
弁護人であれば、時間制限なく面会が出来ますので、事件の内容や、仕事の引継ぎなど、早期に意思疎通を行いたい場合は、弁護人の選任は必須です。
以上のように、逮捕、勾留されてしまった場合は、直ちに弁護人を選任し、捜査機関に対する早期の働きかけが重要です。逮捕された場合や、捜査機関からの呼び出しがあり、逮捕されそうな場合には、早期に弁護士に相談をすることをお勧めします。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士