商業施設のバックヤードにカメラを設置し、女性の下着姿を盗撮した男を逮捕との報道!?
1 報道の概要
仙台市内の商業施設店舗内の、従業員が着替えに使っていたバックヤードに小型カメラを設置し、従業員の女性の下着姿を盗撮した無職の男が逮捕された。男が当時勤めていた会社は店舗内で業務を行っており、男は業務中にカメラを設置したとみられている。男が当時勤めていた会社が、男が仕事で使っていたパソコンの中に盗撮した動画が入っていることを発見し、警察に相談したことで、事件が発覚した。警察は、男に余罪があるかなど調べを進めている。
2 盗撮事件の発覚
電車内や駅構内で、犯人が自分で撮影する形の盗撮事件の場合は、基本的に現行犯で捕まる場合がほとんどといえます。その一方、本件のようなカメラ設置型の盗撮事件の場合は、後から事件が発覚するケールが多々あります。
よくあるのが、設置されたカメラなどが発見された場合です。場合によっては、そのカメラの中に、犯人の画像がそのまま写されていたりします。常識的には信じられないミスですが、このようなケースはかなりあります。
また、本件の様に、パソコンの中身などを検査されたことにより、盗撮画像が出てきて、そこから犯行が発覚することもあります。これは、他の盗撮などの事件で逮捕された後、警察が家宅捜索で押収したパソコンを調べた結果発覚するのが普通のケースです。しかし、本件の様に、他の者が発見したことから、犯罪が発覚することもあり得ます。
3 従業員のパソコンチェック
本件では、会社が本人のパソコンチェックをしたことから事件が発覚しました。そもそもこのような、会社による本人のパソコンのチェックが許されるかも問題です。確かに、私物のパソコンを使用している従業員については、そのパソコンの中身を本人の同意なしにチェックすることはできません。しかし、会社が提供しているパソコンの場合は、そもそも業務以外での使用は認められていません。そうであれば、会社は自社所有のパソコンをチェックできるというのが原則です。
逆に言えば、そのようなパソコンに自己の盗撮の証拠を残しておいたこと自体、かなりおかしなことと言えます。
4 余罪について
本件のような盗撮事件の場合、他でも同じような犯行をしていることも多いです。そこで、この様に事件が顕在化すると、自宅のパソコンやスマホなども押収されて、警察に調査されます。それにより、余罪が発覚することもよくあります。なお、犯人が警察から聞かれて、正直に余罪を話したとしても、盗撮事件の場合は証拠がない以上、立件される可能性は低いです。本人の反省の気持ちを明らかにするためにも、弁護士として余罪を正直に話すことを勧める場合もあります。
5 本件の弁護活動
本件では、多くの方が盗撮されているはずです。それら多くの被害者たちに、誠心誠意謝罪し、賠償金をお支払いし、できれば示談することが弁護活動の柱となります。既に会社で事件が発覚した段階で、謝罪等の機会があったにもかかわらず、ここまでの事態となっている以上、示談などがかなり困難な場合が多いのは間違いないです。そう言う中で、できる限りの謝罪や示談を行うのが、弁護士の腕の見せ所とも言えます。
6 盗撮事件を起こした方は、すぐにご相談ください
弊所では、盗撮機器設置型の盗撮事案の弁護活動も多数行ない、実務上多くの経験を有しています。
示談交渉はもとより、治療としての入院、親族との連絡、検察官との交渉まで、あらゆる面でのサポートを提供しております。
事件を起こした方は、できるだけ早くご相談いただければと思います。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士