改正後「盗撮準備行為」の疑いで初の逮捕との報道!?
1 報道の概要
広島県の遊戯施設で、女性のスカートの中に携帯電話を向けたとして、40代の男が逮捕されました。
今月、改正施行された広島県の迷惑防止条例の、「盗撮準備行為」が適用された、初めての逮捕となります。
改正施行された迷惑防止条例では、盗撮を目的にカメラを向けたり、設置したりする「盗撮準備行為」を新たに規制しています。
男は容疑を否認しているが、警察は、歩いていた女性の後ろからスマートフォンを向ける男の姿が、店内の防犯カメラで確認されたとしています。
以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説いたします。
2 改正前は処罰されなかったのか?
今回の事件では、新設された「盗撮準備行為」にあたるとして、逮捕されています。
それでは、女性のスカートの中に携帯電話を向けただけで、撮影まではしていなかった場合は、これまでは犯罪にならなかったのであろうか?
実は、似たような事案で、特に盗撮準備行為の処罰規定がなくても、刑事事件として対応されてきました。
これまでも、携帯などを女性のスカートの中に入れた場合は、迷惑行為として処分されていました。
当事務所でもそのような事件を何回も扱ってきています。更に言えば、エスカレーターで、前に乗っている女性のスカートの中を覗こうとして、かがみこんだだけの人も警察に捕まったという事件も担当したことがあります。
「盗撮」までなされなくとも、いままでも刑事事件化していたと言えます。
3 改正によって何が変わったのか?
それでは、条例の改正によって、何も違わないのかといえば、そういうことはないです。これまでは、かなり盗撮に近い行為まで行って初めて、処罰に値するような迷惑行為として処理されてきました。
しかし、「準備行為」でも処罰されるとなると、今までは迷惑行為といえるか微妙な行為まで、今後は処罰される可能性が高まります。
逆に言えば、何かの拍子に「盗撮準備」と誤解される可能性も増えることになります。
いずれにしても、疑われるような行為はしないように、十分に注意する必要があります。
4 本件の弁護活動
このような被害者のある事件では、まずは被害者に謝罪・賠償して、示談を行うことが重要になってきます。
今回の盗撮準備行為についても、これまでの盗撮事件と同様に、被害者に対する謝罪、損害賠償、示談などが一番重要になってきます。
つまり本件では、できるだけ早く被害者との示談を行い、少しでも軽い処分を目指すことが、大切な弁護活動となります。
5 盗撮事件で心配な方は、すぐにご相談ください
弊所では、多数の盗撮事案の弁護活動を行ってきており、盗撮事件の実務上の経験も多く有しています。
示談交渉はもとより、治療としての入院、親族との連絡、検察官との交渉まで、あらゆる面でのサポートを提供しています。
事件を起こした方は、できるだけ早くご相談いただければと思います。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士