女児の水着への着替えを撮影した担任教諭が、起訴されたとの報道!?

1 報道の概要

教室内で担任していた1年生の女子児童2人が水着に着替える様子をスマートフォンで撮影したなどとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造、単純所持)に問われた小学校教諭の被告の男(46)の初公判が行われた。被告は罪状認否で、起訴事実を認めた。被告は、5年ほど前に都教育委員会からわいせつ行為で停職3か月の懲戒処分を受けていた。被告は、10年ほど前に、当時10歳代だった元教え子の少女に乱暴したとして強姦(現・強制性交)罪でも起訴されている。

以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説します。

 

2 性犯罪の発覚

今回は、強姦罪の他に多くの盗撮事案などが発覚しています。このように、性犯罪の場合に多くの余罪が問題とされるのには理由があります。

例えば、盗撮で逮捕されたような場合には、盗撮に使用されたスマホだけでなく、家のパソコンなども捜査の対象となります。それによって、他の盗撮事件や、その他の性犯罪なども発覚することになります。

また、今回は強姦罪でも起訴されていますが、このようなときも同様に、他の犯罪についてもパソコンその他の記録を見て、事実上捜査されます。

性犯罪の場合は、余罪がなされていることが多いので、それに対する対応として捜査機関も動いています。

 

3 懲戒処分の効力

本件の被告人は、5年ほど前に懲戒処分を受けています。それにもかかわらず、特に問題なく小学生の教員を続けていました。これ自体、常識的にはかなり問題があります。

しかし、このような情報までは警察に共有されることはありません。(そこまですると、個人の人権侵害として、問題となることも間違いありません。)

ただ、後からこのような懲戒の事実が判明すれば、余罪の捜査など一層厳しく行われることになってきます。

 

4 本件の弁護活動

このような被害者のある事件では、まずは被害者に謝罪・賠償して、示談を行うことが重要になってきます。

ただ、相手が小学生といった年少者だと、事実上示談を行うことはかなり難しいです。また、本件では強姦罪といった重い犯罪が問題となっていることや、被告人が学校の先生だという事情を考えると、仮に多くの事案で示談ができたとしても、執行猶予付きの判決を取ることは相当難しいものと言えます。

しかし本件では、できるだけ早く被害者との示談を行い、少しでも軽い処分を目指すことが、大切な弁護活動となります。

 

5 児童ポルノや盗撮事件を起こした方は、すぐにご相談ください

弊所では、多数の児童ポルノや盗撮事案の弁護はもとより、児童に対する強姦罪の弁護活動も行ってまいりました。

示談交渉はもとより、治療としての入院、親族との連絡、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートいたします。

事件を起こした方は、できるだけ早くご相談いただければと思います。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士