電車内で痴漢行為をした疑いで男性が逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

迷惑行為等防止条例違反の疑いで新潟市に住む32歳男が逮捕されました。男は午前0時前後に、普通列車内で30代女性に対し、着衣の上から胸を触るなどの痴漢行為をした疑いをもたれています。

痴漢行為があったとき、電車の乗客はまばらで周囲に行為を目撃した人はいない。

警察によると、2人は知り合い関係ではなく、男は泥酔状態でした。

警察の調べに対し、男は「よく覚えていない。胸などを触った事実はありません」と容疑を否認しています。

以上の事案をもとに、問題となる法的論点を解説していきます。

 

2 目撃者のいない犯罪

混雑した電車内での痴漢といった場合、目撃者などいない方が普通と言えます。

「被害者」と「加害者」それぞれの証言のみによって、痴漢が行われたのかどうかを判断するしかないです。

もちろん、「加害者」の手に、被害者の着衣の繊維が付着していたといった事情や、身体内部に触った痴漢の場合では、DNAが検出されるといったことがあれば、痴漢の存在を認めやすくなります。しかし、そういう証拠が出ることは期待できないです。

そうした場合、特段の理由が無い限り、「特に女性側が嘘をつく動機がない」ということで、「被害者」側の主張が認められることが多いと言えます。

 

3 酔って覚えていない?

特に本件の様に、「加害者」側が、酔って覚えていないといったときには、正常な状態に居た女性側の言い分が通りやすいです。

ただ、覚えていないのにもかかわらず、「絶対に痴漢をしていない」というのは、かなり困難であることも間違いがないです。

「覚えていないが、被害者の方でそういうなら、自分がやったことで間違いありません」ということで対応した方が、事案の解決という点では、スムーズに終わることは間違いないです。

少なくとも、本件の様に逮捕される可能性は、かなり減少します。

 

4 本件の弁護活動

そうはいっても、本当に覚えていないし、他の目撃者がいない中、自分の罪を認めるのに抵抗があるのも当然のことです。

酔った状態で「被害者」と紛争が生じ、腹を立てた相手方が「痴漢」ということで騒いでいる可能性も否定はできないです。本人がどうしても納得できないなら、「被害者」側の主張を出来る限り検察官から教えて貰い、矛盾点などあれば争うことになります。

本気で争った場合、かなりの確率で不起訴処分となっているのも事実です。

一方、相手方の主張に不自然なところがない場合には、少なくとも、「ご迷惑をおかけした」ということで示談をする方向で考えることになります。

相手方からは、「罪を完全に認めないような人とは示談などできない」と言われる場合が多いので、その中でなんとか示談を成立させるのが、弁護士の腕ともいえます。

 

5 痴漢事件を起こした方は、すぐにご相談ください

弊所では、多くの痴漢事件の弁護を手掛けています。

検察官との交渉や被害者との交渉など、多くの経験に基づくサポートをしています。

痴漢事件などでお悩みの方のご相談をお待ちしています。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士