手術中に小学生女児や女性患者を盗撮した医師を起訴との報道!?

1 報道の概要

京都府立医科大付属病院で医師が手術中に女性患者らを盗撮したとされる事件で、京都地検は30日、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)と府迷惑行為防止条例違反(盗撮)の罪で、同市北区、元医師の男(43)を起訴した。 起訴状によると、昨年3~11月、当時勤務していた同病院の手術室で、スマートフォンや動画撮影機器を使い、小学生の女児(11)や女性(27)ら患者4人の体を盗撮したとしている。

以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説します。

2 児童ポルノ製造罪となるのか?

今回の事案で、小学生の女の子に対する盗撮行為は、それによって児童ポルノを製造した行為ということになります。医療記録を撮る目的であれば、児童ポルノとは言えないので、本件のような手術時の撮影行為が、犯罪と言えるかは慎重に判断されたはずです。

本件では、撮影内容その他の事情から、手術とは無関係のものと判断されたものと考えられます。

 

3 盗撮の罪に問えるのか?

盗撮事件は、基本的には公共の場で行われることが要件とされていました。本件の様に、手術室といった、密室で行われる場合は、盗撮事件としては認識されてこなかったということがあります。

しかしながら、公共の場とは言えないような場所での盗撮も問題となってくる中、多くの条例では、本件のような事案も盗撮として扱えるように変わってきています

 

4 本件の弁護活動

本件では、医師という専門家が、自分の職務を濫用して起こした犯罪ですので、非常に厳しく処断されます。当事務所でも、整体師が職務中に行ったという痴漢事件を弁護したことがありますが、非常に厳しく処断されています。

このような被害者のある事件では、まずは被害者に謝罪・賠償して、示談を行うことが重要になってきます。

本件では、できるだけ早く被害者との示談を行い、医師をやめるなどの社会的制裁と相まって、執行猶予を目指すのが一番の弁護活動になりそうです。

 

5 児童ポルノや盗撮事件を起こした方は、すぐにご相談ください

弊所では、多数の児童ポルノや盗撮事案の弁護活動を行ってまいりました。

早い段階で、自首や被害者との示談交渉など行うことで、事件化を防ぐことも可能です。また、治療としての入院、親族との連絡、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートいたします。

事件を起こした方は、できるだけ早くご相談いただければと思います。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士