入院中に看護師の下半身を盗撮したとして、停職3か月の懲戒処分を受けたとの報道!?

1 報道の概要

航空自衛隊の20代の男性空士長が、入院中の病院で看護師の下半身を盗撮したとして、停職3か月の懲戒処分を受けたという報道がありました。

容疑は、病院入院中に看護師の下半身にスマートフォンを差し向けて動画を撮影したというもので、男性空士長は、「被害者の下半身を見たいという欲求から撮影」したとして、容疑を認めているそうです。

それにもかかわらず、男性空士長は、起訴されておらず、刑事罰に問われていないそうです。

今回は、この報道を題材に、盗撮事件の弁護活動について解説します。

 

2 空士長に成立する可能性のある罪

看護師の下半身にスマートフォンを差し向けて動画を撮影する行為は、いわゆる盗撮にあたり、犯罪になります。

法律上の呼び名としては、各県の定める迷惑行為防止条例違反にあたる行為です。

各県によって法定刑などは異なりますが、おおよそ初犯の盗撮行為は、罰金相当の刑が下ることが一般的です。

 

3 なぜ空士長は刑事罰に問われないのか

お話したとおり、盗撮行為は、懲役刑にならなかったとしても、罰金刑にはなりうるような犯罪行為です。それにもかかわらず、空士長が刑事罰を受けず、起訴すらされていないのはどうしてでしょう。弁護士の視点から、一つの可能性を予想してみます。

本件では、男性空士長と看護師との間で示談された可能性があり、それによって不起訴不処罰になった可能性があります。

盗撮事件については、被害者に謝罪の意思を示し、謝罪を形にする意味で謝罪金を支払うという弁護活動がもっとも重要です。被害者は、基本的には弁護士を通してしか話をしてくれません。そのため、弁護士を介して謝罪をしていく形になるのです。

謝罪のうえ、被害者の方に事件のことを許してもらい、合意書に署名してもらえれば、高い確率で不起訴になり、刑罰にも問われないでしょう。

本件でも、このような示談交渉が成立した可能性が高いといえます。

 

4 なぜ停職3か月で済んだのか

航空自衛隊員は、非常に強い社会的責任を負っており、盗撮などすれば、懲戒処分も相当なものを覚悟しなければならないことは明らかです。

それでも、本件で男性空士長は停職3か月の懲戒処分で済み、解雇までにはなっていません。

このような比較的軽い処分でおさまっていることからも、男性空士長が看護師との示談に臨み、しっかりと反省を形にした可能性がうかがえます。

 

5 盗撮事件を起こしてしまった方はご相談下さい

弊所弁護士には、盗撮や痴漢の示談交渉に、幅広い経験があります。

示談をしっかりとすることで、懲戒処分が軽くなる可能性も出てきます。

被害者にしっかり謝罪するため、少しでも働いている会社に誠意を示すため、弊所まで示談等刑事弁護をご相談下さい。

 

執筆者・原田 大士の写真

執筆者情報

原田 大士Daishi Harada

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士