ギターを店頭から盗んだとして、3か月後に男が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
22年1月、昨年の10月に札幌市のギターショップからエレキギター1本を盗んだ疑いで、71歳の無職の男が逮捕された。
男は、去年10月下旬、札幌市のギターショップで、エレキギター1本を盗んだ窃盗の疑いが持たれている。警察によると、ギターは38万5000円で販売されていたところ、店員が店の奥で作業している隙に、店頭から盗まれたという。警察が札幌市内のリサイクルショップを調べたところ、盗まれたギターが販売されているのが見つかり、71歳の男が浮上した。
警察の調べに対し、男は「欲しいギターと同じ形で弾いてみたかったけどお金がなかったので盗んだ」と話していて、容疑を認めているという。
2 万引きで後日逮捕
万引きは現行犯で逮捕されるものというイメージをお持ちの方も多いですが、後日逮捕の事案も非常に多くあります。店舗の内外を含め、防犯カメラの設置が普及していることから、後日の犯行発覚及び犯人特定が容易になったことが一因としてあるでしょう。
また、本件のように被害品が高額な場合、警察としても転売を疑うため、近隣の中古品買取店に聞取りをする傾向があることに加え、リサイクルショップとしても疑わしい買取品があった場合には、積極的に警察に通報するためでもあります。
その他にも、被害店舗自身が中古品市場を確認し、警察に通報するという発覚パターンもあります。
3 どのような処分があり得るか?
万引きの初犯の場合、罰金刑で終わることが多いです。
ただし、本件のように被害品が高額である場合、転売目的の場合などは初犯でも公判請求される可能性も十分にあります。
本件では弾いてみたかったから盗んだ旨供述し、転売目的を否定しているようですが、犯行からリサイクルショップへの持ち込みまでの期間などの事情から、転売目的とみなされることも考えられるでしょう。
4 自首をすべきか?
後日逮捕があり得る事案においては、自首をすべきかについても検討すべきでしょう。
自首をすることで、例えば公判請求ではなく罰金となるなど、処分時の考慮事情として意義を有する場合もあります。
その一方、露見するおそれのなかった事案が自首によって事件化するなど、いわゆる藪蛇となる可能性もあります。
自首すべきかは個々の事案ごとの事情を踏まえ、慎重に判断すべきことです。
お悩みの場合には、早期に弁護士にご相談ください。
執筆者情報
越田 洋介Yosuke Koshida
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士