スカート内にスマートフォンを差し入れて盗撮したとして、県迷惑防止条例違反の疑いで男性が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
福井県警福井署と県警少年女性安全課は、福井市内の量販店で、買い物中の女性の背後からスカート内にスマートフォンを差し入れ、下着などを盗撮したとして、県迷惑防止条例違反(ひわいな行為)の疑いで福井市に住む坂井市内の小学校教諭の男性を現行犯逮捕しました。
同署によると、男性は被疑事実を認めているようです。
2 予想される刑事処分
盗撮行為は、通常、都道府県の迷惑行為防止条例違反で処罰されます。本件では量販店での典型的な盗撮行為ということで、同様の取り扱いになっています。
一般的には、初犯であれば20万円~30万円の罰金となることが多いですが、画像を転売していたり、特定できた被害者が多く処罰件数が増えると、正式裁判などより重い処分も考えられます。
被害女性を付け狙っていたといった事情がなければ、適切な弁護活動により、早期の釈放(逮捕から3日以内)も十分に見込めるでしょう。
3 盗撮行為による懲戒処分
一般的には、犯罪行為そのものだけでなく、報道の有無、被害者の意向、最終的な刑事処分(起訴か不起訴か、罰金か懲役か)などによって、人事上の処分は異なります。
公務員の場合、不起訴(起訴猶予)でも何らかの処罰はありえますし、特に教員の場合は、免職の可能性も十分にあります。なお、禁固刑以上であれば、執行猶予が付いても自動的に失職します。
4 弁護活動
まずは、早期の釈放を求めていくことになりますが、常習性の有無や、被害者との接点の有無によってその可能性は異なります。たまたま魔が差して犯行に及んだ、というのと、面識があったり一方的に付け狙っていた、というのでは事案の性質が全く異なります。事情を細かくヒアリングし、罪証隠滅の恐れがないことを丁寧に主張しなければなりません。
また、本件のように被害者がいる犯罪では、まずは被害者との示談が重要です。金銭の支払いだけでなく、接近しない旨や犯行現場となった店舗を利用しない旨の誓約も重要です。
また、示談と言っても、単純に民事上の解決をするのではなく、被害届を取り下げたり、「刑事処分を求めない」といった示談書を取り交わすなど、刑事処分を軽くするための対応が必要となります。
示談交渉がうまく進めば、ほとんどの場合、不起訴処分(起訴猶予)となります。仮に、示談ができなかった場合は、検察官との交渉が重要となり、被害者への慰謝の措置や、報道による社会的制裁などを主張することになります。
弊所では、これまでも盗撮行為の弁護は多数担当しています。ご不安な方は、現状を問わず、すぐにご相談ください。
執筆者情報
石崎 冬貴Fuyuki Ishizaki
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士