宅配ボックスから商品を盗んだとして、配送業者が逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

マンションの宅配ボックスからレコードを盗んだとして、窃盗の疑いで、配送業をしている男性が逮捕された。警察によると、容疑者は荷物の配達でこのマンションを訪問。依頼者が不在だったため宅配ボックスの鍵を解錠したところ、レコードを見つけ、そのまま持ち去った。ポストに配送業者がやってきた旨を知らせる通知が入っていたにもかかわらず商品が見当たらないことから、防犯カメラを確認したところ、本件犯行が記録されていたという。

以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説します。

 

2 配送業者による窃盗

本件は、事案そのものとしては、単純な窃盗罪です。ただ、配送業者が、ボックスのカギを開けることができる立場を悪用して犯行に及んだことに特徴があります。このように、一定の職業にあることを利用して犯罪に及ぶ場合は、通常の犯罪よりも重く処断されることになります。犯罪行為の悪質性はもとより、職業に対する信頼を失墜させる点を、事実上重く見ることになるからです。

 

3 防犯カメラの映像

本件では、防犯カメラにより犯行が発覚しています。現状、公共の場所はいたるところに防犯カメラがあり、録画されていると考えた方が良いです。多くの犯罪が、カメラの録画により発覚しています。

マンションのエントランス、特に宅配ボックスのあたりでは、防犯カメラが記録していることはある意味常識です。その中で、このような犯行に及ぶということ自体、ありえないことと言えます。今後、防犯カメラについての知識が常識となるにつれて、このような犯行は減少していくものと思われます。

 

4 本件の弁護活動

本件は被害者のいる犯罪なので、まずは被害賠償と示談を行うことが大切です。また、このような犯行では、余罪を疑われることになります。余罪については、ことさら自分からすべてを話す必要は無いですが、他のマンションでの防犯カメラの録画などが出てきたら、正直に認めて、それらについても示談等進めていくことが大切になります。

余罪が多数出てきたとしても、全てについて示談ができれば、まだ不起訴となる可能性は残っていると考えられます。

 

5 窃盗事件を起こした方は、すぐにご相談ください

弊所では、多数の窃盗事案の弁護活動を行ってまいりました。

被害者との示談交渉、治療としての入院、親族との連絡、今後の更生のための手助け、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士