某テレビ局プロデューサーが妻への傷害容疑で逮捕されたとの報道!?

1 報道の概要

某テレビ局のプロデューサー(40歳)が、某日午前2時ごろ、自宅で40歳代の妻と口論になり、その顔を手で殴り、軽傷を負わせた疑いがあるとして、同日、傷害容疑で現行犯逮捕されたとのことです。当時、妻が「夫に殴られた」と119番通報したことで事件が発覚したようで、男性プロデューサーは取調べに対し、「暴力をふるったことは間違いない」と容疑を認め、同日午後、釈放されたとのことです。

今回は、この報道が事実であることを前提に、配偶者に対する傷害事件について、法的な問題や弁護活動を解説します。

 

2 妻を負傷させた夫はどのように逮捕されたか?

今回の事件では、妻が119番通報し、プロデューサーは現行犯逮捕されています。このことからすると、夫婦喧嘩がエスカレートし、夫であるプロデューサーが妻に手を出してしまった後に、お互いが冷静になるなどして、夫が家にとどまっていたところ、現行犯逮捕された可能性が高いです。この手の事件では、暴力を振るった方がある程度落ち着いた段階であっても、短時間に警察が駆け付ければ、現行犯逮捕される可能性は高いです。

 

3 なぜ男性は釈放されたか?

今回の事件では、男性は暴力を加えた事実を認めたうえで、釈放されています。今回は、妻の方からも、釈放するように願い出たことで、釈放が直ちに実現した可能性があります。

しかし、夫婦間の傷害事件では、必ずしも今回と同様に、すぐに釈放されるとは限りません。なぜなら、釈放されれば、逮捕された配偶者は、基本的に被害者である配偶者の元に帰ることになるからです。

これまでも暴力が頻繁に行われていた、被害者である配偶者が拒んでいるなどの事情があれば、早期での身体解放のハードルは高いところです。

 

4 夫婦間傷害事件での弁護活動

早期身体解放のハードルが高い場合もあることは既に述べたとおりですが、それでも、夫婦間の傷害事件で逮捕されてしまった方の弁護活動として、まずは、その方を釈放する弁護活動をする余地があります。弁護人が被害者の配偶者と交渉することはもちろんのこと、場合によっては、実家等親戚の家に住むことを前提に、親戚の方を身元引受人として、身体解放を図ることが考えられます。

また、傷害事件が微罪処分では済まなかった場合などには、被害者配偶者との示談交渉が、弁護活動としてとりわけ重要です。

示談が成功すれば、不起訴処分を獲得する可能が高いです。夫婦間の関係がある程度修復可能なものであれば、示談交渉が成功する可能性も上がります。

一方、修復が難しい間柄の場合は、離婚の手続きを視野に入れた上で、総合的に関係を調整していき、示談を取りまとめる必要性もありうるところです。

 

5 身内の方が配偶者に手をあげてしまったなど、お悩みの方はご相談下さい

弊所では、配偶者同士の傷害事件にとどまらず、DV事件、親しい間柄での一般的な傷害事件等、様々な傷害事件のご相談を受けて参りました。

配偶者に手をあげてしまい、在宅捜査が進んでおられる方、身内の方が配偶者に手を出し捕まってしまったなど、お悩みの方は、ぜひ一度弊所にご相談下さい。

 

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執筆者情報

原田 大士Daishi Harada

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 弁護士