通勤ラッシュの地下鉄内で女性の財布盗む53歳男、4回目の逮捕との報道!?

1 報道の概要

女性からスマートフォンを盗んだとしてこれまで3回逮捕されていた53歳の会社役員の男が、札幌の地下鉄車両内で30代の女性のショルダーバッグから現金約1万2600円や免許証など15点が入った財布(時価約5万円相当)を盗んだとして再逮捕された。男は立っていた女性の背後からバッグのチャックを開けて財布を取り出し逃走したとみられていて、事件後財布が無くなっていることに気づいた女性が警察に通報していた。男はこれまで、いずれも女性からスマートフォンを盗んだとして3回逮捕されていて、家宅捜索で女性の財布が見つかり男の容疑が浮上したとのこと。男は、小遣いが欲しかったためと、容疑を認めているとのこと。警察は余罪が多数あるとみて調べを進めている。

以上の事案をもとに、法的に問題となる点を解説します。

 

2 余罪発覚のケース

窃盗事犯の家宅捜索を行ったときに、盗品が多数見つかるケースはよくあることです。発見された盗品から、これまで被害届が出されている品物とを照らし合わせて、新しい犯罪が見つかるケースも非常に多いです。

常識的に考えれば、「何故証拠となるようなものを大切に保管しておくのか?」非常に疑問と言えます。このような形で余罪が見つかる場合、背後に病的なものがあるのではという疑いが出てくることになります。

 

3 病的な窃盗犯罪の動機

本件は、本人は小遣い欲しさの利欲的な動機だと話しています。しかし、これをどこまで信じてよいのかは何とも言えません。普通の社会生活を送っていながら、どうしても窃盗が辞められない人は一定数います。通常は、拒食症などにかかっている女性が、食物の万引きを止めることができないといった事例が多いです。しかし、本件のように、男性が窃盗を繰り返す事例も、相当数認められます。当事務所でも、このような事案を担当したことがあります。

 

4 本件の弁護活動

本件では、余罪が多数ある事案なので、できるだけ多くの被害者との示談が大切になります。ただ、このように多数の犯罪を行い、証拠の財布などを処分しないで「保管」している人の場合、単に小遣い欲しさの犯行というよりも、病的なものを感じます。精神科での受診等、今後二度とこのような犯罪を起こさない対応を取ることも、有効な弁護活動につながります。

 

5 窃盗事件を起こした方は、すぐにご相談ください

弊所では、多数の窃盗事案の弁護活動を行ってまいりました。

被害者との示談交渉、クレプトマニアの治療としての入院、親族との連絡、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士