通行中に胸を触られた痴漢被害との報道!

1 報道の概要

午後11時ごろ、通行中の女性が男から胸部を触られる痴漢容疑事件が発生したとして、警察が防犯メールで注意を喚起した。警察によると、男は20代で身長160~170センチくらいの痩せ形。黒髪短髪にグレー色の上着を着用していたという。

以上の事件をもとに、問題になりそうな諸点を解説します。

 

2 通行中の女性への痴漢

通行中の女性の体に触って逃げるといった犯罪は、非常に多く起こります。当事務所でも、数回弁護を行ったことがあります。

夜道の痴漢行為の場合、犯情が非常に悪く、初犯でも実刑判決で、いきなり刑務所に行く可能性もある犯罪です。さらに、女性が驚いて転んだりすることもよくあります。それによって擦り傷などが生じた場合には、強制わいせつ致傷罪となり、裁判員裁判の対象事件となります。

 

3 逮捕される可能性は高いのか?

犯人が特定されたなら、このような夜道での痴漢犯罪の場合、必ず逮捕されます。現在は、道の多くに防犯カメラが設置されている(コンビニのカメラ、マンションのカメラなども警察は確認します)ことから、警察は比較的容易に犯人の目星を付けます。

さらに、被害者の体等から採取したもので、DNA鑑定を行うことで、犯人が特定されることもよくあります。(当事務所でも、これまでに2回ほど、そのような事案がありました。)

 

4 余罪の取り調べ

夜道の痴漢事件の場合、警察は必ず同種余罪の取り調べをします。通常は、初めてこのような事件を行って、最初から発覚するようなことはありません。発覚以前に、多数の同種犯罪を行っている方が普通です。余罪が発覚すると、再逮捕再勾留と、取り調べも長期に及びますし、実刑判決が出される可能性も増えます。

ただ、全ての事件について示談にすることで、多くの余罪があっても不起訴処分とすることも可能です。当事務所でも、5件の痴漢事件で、全てと示談をして、不起訴としたことがあります。(これは奇跡的なことであり、通常はそのようにうまくいくことはまずありません。)

 

5 痴漢行為をしてしまったという方は、すぐにご相談ください

弊所では、痴漢事件などの様々な性犯罪事案の弁護活動を行ってまいりました。 

自首の同行、被害者との示談交渉、治療としての入院、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士