万引きしたマンガを転売した男が逮捕されたとの報道!?
1 報道の概要
直前にも本を万引して近くの古本屋で転売していた無職の男が逮捕されたとのこと。防犯カメラなどから、万引した本を古本屋で転売しているのを予め知らされていた古本屋の店員が、漫画の売却に訪れた男に「査定に時間がかかる」と伝えて時間を稼ぎ、警察へ通報し、逮捕につなげた。男は再び同じ古本屋を訪れたという。通報を受けて駆け付けた同署員が、店内にいた男を確保し、容疑を認めたため逮捕した。
以上の事件をもとに、問題になりそうな諸点を解説します。
2 万引き事件への防犯カメラの効力
現在ほとんどの店舗には、防犯カメラが設置されています。万引き犯など、撮影されていることが非常に多いのです。
同じ人が何度も万引きしているような場合には、店舗が警察に相談して、逮捕に踏み切るようなこともよくあります。
3 転売による発覚
盗んだ商品を販売する段階で、事件が発覚することも非常に多いです。特に、マニアが使用するようなものの窃盗の場合、売るところも限られますので、盗られた人がそういう市場をチェックしていることもよくあるのです。
当事務所でも、被害者がネットのオークションなどをチェックしていて、盗品が売りに出されたのを見つけて、警察に通報したといった事案を扱ったことがあります。
4 店内で「確保」し、その後「逮捕」した、とはどういうことか?
今回、犯人が捕まったのは、盗んだマンガを売りに来ているときです。しかし、犯罪となるのは、万引きした行為ですから、古本屋での販売を理由に、現行犯逮捕することなどはできません。
そこで、取り敢えず任意で身柄を「確保」して、その後容疑が固まった段階で、逮捕令状を取って「逮捕」したものと思われます。
この辺は理屈っぽいのですが、後々問題とならないように、発表するときに警察も注意しているものと思われます。
5 弁護活動の内容
今回のような窃盗事件では、被害者への弁償が一番の弁護活動になります。
ただ、万引きの常習犯の場合は、病気その他根本的な原因が背後にあるのが通常です。また、生活に困っての犯罪なら、そこから対応しなくてはなりません。
いずれにしても、単純な弁護活動を超えた対応が、弁護士にも求められることになります。
6 窃盗罪にあたる方行為をしてしまったという方は、すぐにご相談ください
弊所では、万引きや下着泥棒から、住居侵入窃盗まで、多くの窃盗事件の弁護活動を行ってまいりました。
自首の同行、被害者との示談交渉、治療としての入院、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士