横浜市のマンションに侵入し、現金を盗んだ疑いで、小学校教諭が逮捕!
1 報道の概要
小学校教諭の男性が、今年5月、マンションの部屋に侵入し現金10万円を盗んだ疑いで逮捕されたとの報道がありました。帰宅した住人と鉢合わせになり、そのまま逃げたということです。犯人の特定は、防犯カメラの映像からなされました。さらに、「金に困っていて、ほかにも何ヵ所か盗みに入った」と供述していると報道されています。
この報道から、窃盗罪について、ポイントとなる点を説明していきます。
2 「窃盗」と「住居侵入窃盗」
刑法235条によると、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられることになります。この法定刑には、相当広い幅があります。万引きなどの場合、初めて捕まったような場合には、逮捕される方が稀です。不起訴処分になる可能性も相当高いです。また、仮に処罰されるとしても、せいぜい罰金刑となるのが通常です。
これに対して、今回のように他人の住居などに侵入しての窃盗は、「住居侵入窃盗」ということで非常に重く罰せられます。発覚すれば、高い確率で逮捕されますし、初犯であっても公訴提起されて、正式裁判を受けることになります。
3 被害者等に見つかったときの対応
今回の事件では、住民に見つかってそのまま逃走しています。しかし多くのケースで、住人と揉み合いになって怪我(ほんのかすり傷の場合も含みます)をさせたりすることもよくあります。そうなりますと、事件は「窃盗」から「強盗」に変わってしまいます。
強盗罪になると、必ず逮捕勾留されます。さらに、公訴提起されて正式裁判になるどころか、原則として実刑判決が出されて、刑務所に行くことになります。そもそも裁判自体が「裁判員裁判」で行われます。
窃盗犯が、店員や住人に見つかったときに、そのまま逃げるか、相手と揉み合いになるかで、これほどまでに大きく刑罰が違ってくるのです。
4 防犯カメラでの犯人特定
現在は、駅などの公共施設や、大きなマンションは、必ず防犯カメラが設置されています。事件が起これば、犯行現場はもとより、その周りの映像が全て調べられます。画像もかなりしっかりしています。基本的に、逃げおおせることはかなり難しいと考えられます。
5 他の犯罪事実の自白
本件では、他の事件も自白していると報道されています。被疑者には「黙秘権」がありますので、他の事件は自白しなくてもよいことになります。実際問題、自白しなければ、余罪は発覚しなかったのに、自白の結果、余罪まで含めて処罰されることになり、刑務所まで行くことになったというケースもあります。自白するかどうかは、弁護士と相談して慎重に行う必要があります。
ただ、前項で説明したように、現在は非常に優れたビデオ映像が至る所から取れます。それによって、いずれにしても本人の犯行であると判明する場合には、反省の気持ちを伝えるためにも、早期に自首をすることが望ましい場合もあります。
6 窃盗行為をしてしまったという方は、すぐにご相談ください
弊所では、これまでも、万引きから住居侵入窃盗、さらには強盗罪まで、多数の弁護活動を行ってまいりました。
自首の同行、被害者との示談交渉、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。
執筆者情報
大山 滋郎Jiro Oyama
弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士