駅のエスカレーターで、大学生を盗撮した犯人が逮捕されたとの報道

1 報道の概要

千葉県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで、東京都港区の大学生の男(26)が現行犯逮捕された。逮捕容疑はJRの駅構内で、上りエスカレーターに乗っていた県内の女子大学生(20)に近づき、背後からカメラ機能付き携帯電話をスカート内に差し向けた疑い。

以上の報道をもとに、法的に問題となる点を解説します。

 

2 エスカレーターでの盗撮

エスカレーターにおいて、盗撮事件が行われることは非常に多いです。そこで、盗撮しやすい駅のエスカレーターなどでは、警備員や警察が見張っているケースも非常に多いと言えます。

今回の被疑事実は、「カメラ機能付き携帯電話をスカート内に差し向けた疑い」とされています。つまり、携帯での撮影自体は行われなかった可能性があります。しかしながら、そのような場合でも、携帯をスカート内に差し向けるだけでも、迷惑行為防止条例の犯罪は成立します。つまり、写真を撮る必要は必ずしもないのです。

普通は、写真が撮れていないと、証拠不十分ということで立件はできませんが、エスカレーターを警察などが見張っている場合には、携帯をスカート内に向けただけで、現行犯として逮捕が可能になります

当事務所でも、似たような事案で、写真は撮っていないが逮捕された案件の弁護を何件も担当してきました

 

3 20歳の被害者

今回の被害者は20歳と、成人しています。これが未成年の場合だと、示談交渉が本人ではなく、親と行う必要も出てきます。一般的に、本人よりも親の方が、処罰感情が厳しいことが多いです。

なお、20歳になったばかりの被害者の場合、示談交渉の場に親も同席するようなケースも多々あります。本人はもちろん、親に対しても、加害者の謝罪と誠意を伝えるのが、弁護士としても重要になってきます。

 

4 弁護活動の内容

今回のような盗撮事件では、被害者への謝罪と弁償が一番の弁護活動になります。被害者が許してくれる(少なくとも処罰を望まないと言ってくれる)なら、不起訴処分で終わる可能性は十分にあります。さらに、今後は問題となっている駅を使わないなど、被害者に不安を与えないための措置などを、早急に行う必要があります。

 

5 盗撮行為をしてしまったという方は、すぐにご相談ください

弊所では、様々な形態の盗撮事件の弁護活動を行ってまいりました。 

自首の同行、被害者との示談交渉、治療としての入院、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士