釣り糸が絡まったことから暴行・逮捕されたとの報道

1 報道の概要

石狩市の河口でサケ釣りをしていた76歳の男が、並んでサケ釣りをしていた35歳の男性と釣り糸がからまったことで口論になり、近くにあった流木を手にして男性に向けて降り下ろし、軽いけがをさせたことで逮捕されたとの報道があった。

以上の事件をもとに、問題になりそうな諸点を解説します。

 

2 高齢者の暴行事件

70以上の高齢者による暴行事件は、相当数起こっています。当事務所でも、何件も対応してきました。高齢者であっても、年齢並みの落ち着きが出てくるとは必ずしも言えません。かえって、我慢が効かなくなり、犯罪行為を起こす人が増加するとさえ言えます。

 

3 逮捕の後報道される事案なのか?

今回の事案では、被害者は軽いけがをしているだけです。加害者が高齢者であることと相まって、逮捕までされないことも十分に考えられます。今回、逮捕まで行ったのは、流木を用いて殴りかかったという犯行の悪質さに加えて、事件後の加害者の対応などに、さらなる問題があったためかもしれません。

 

4 弁護活動の内容

今回のような暴行傷害事件では、被害者への弁償が一番の弁護活動になります。被害者が許してくれる(少なくとも処罰を望まないと言ってくれる)なら、不起訴処分で終わる可能性は十分にあります。

また、けがの程度が小さいことから、処罰されるとしても罰金刑で終わる可能性が高い事案です。ただ、本件では加害者は逮捕されています。このまま勾留されるようだと、20日もの間、身体拘束される可能性が出てきます。早期の身体解放のためにも、被害者への謝罪、賠償、不安を与えないための措置などを、早急に行う必要があります。

 

5 暴力行為をしてしまったという方は、すぐにご相談ください

弊所では、暴行罪や傷害罪など様々な暴力事案の弁護活動を行ってまいりました。 

自首の同行、被害者との示談交渉、治療としての入院、検察官との交渉まで、あらゆる面でサポートをさせていただきます。

 

執筆者・大山 滋郎の写真

執筆者情報

大山 滋郎Jiro Oyama

弁護士法人 横浜パートナー法律事務所 代表弁護士