痴漢について

このページは弁護士石﨑冬貴(神奈川県弁護士会所属)が執筆しています。

 

目次

1.痴漢とは

2.痴漢の法定刑

3.痴漢の量刑

4.逮捕について

5.事件化した場合どうするか

6.冤罪の場合どうするか

7.報道を避けるにはどうするか

8.弁護方針

9.関連ページ

 

 

1.痴漢とは

 わいせつな目的で、服の上から、または、直接、人の身体に触れることを言い、ほとんどのケースが、各都道府県の迷惑行為防止条例違反か、強制わいせつ罪で処罰されます。
 一般的には、服の上から触った場合は前者、下着の中にまで手を入れて、胸や局部を触ったり、嫌がる相手を力で押さえつけて身体を触るようなことをすれば後者となります。
 一瞬の抱き付きなど、わいせつ目的か分からない場合は、暴行罪で処罰されることもあります。

 

2.痴漢の法定刑

 迷惑行為防止条例違反の場合、都道府県によって違いますが、弊事務所の近隣ですと、次の通りです。

 

【東京都】
  6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

【神奈川県、埼玉県、千葉県】
  1年以下の懲役または100万円以下の罰金

 

 常習の場合は、これよりも重くなります。

 強制わいせつ罪の場合、6カ月以上10年以下の懲役です。

 暴行罪の場合、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料です。

 

3.痴漢の量刑

 都道府県の条例違反や、暴行罪の場合、初犯であれば、20~30万円の罰金になることが多いと思われます。
 もちろん、具体的な犯行態様や、余罪(常習性)、被害感情によって具体的な量刑は異なります。
 前科がある場合は、前科からの期間によって変わりますが、基本的には前回よりも重い処罰が課されます。
 強制わいせつ罪の場合、罰金刑がありませんので、軽くても執行猶予付きの懲役刑になり、態様によっては、一回で実刑になることも珍しくありません。
 強制わいせつによってけがをした場合は、強制わいせつ致傷罪(無期または3年以上の懲役)となり、非常に厳しく処罰される上、裁判員裁判の対象事件ともなります。

 

4.逮捕について

 電車内など、典型的な痴漢の場合で逮捕されるのは、ほとんどが、被害者や目撃者による現行犯逮捕によるものです。
 特に、声をかけられたときに、逃走を試みると、まず取り押さえられます。
 また、第三者の目撃者が多数いるにも関わらず、不合理に否認する場合や、身元について明かさないといった場合も、逮捕される可能性が高くなります。
 後日の逮捕はあまり多くありませんが、例えば、目撃者が多数いる中で逃走したといった場合には、防犯カメラや、駅の入出場記録(スイカやパスモの使用履歴)、近隣の店舗での購入記録(クレジットカードの使用履歴など)などから特定され、通常の逮捕令状で後日逮捕されるケースもあります。
 明らかに自分の特定が容易な場合には、自首することも検討してください。

 

5.事件化した場合どうするか

 事実として、痴漢を行ってしまった場合には、無理な弁解をして逮捕されるよりも、しっかりと謝罪し、取調べと並行して示談を試みる方がよいでしょう。
 逃げたり、否認すれば、痴漢そのものよりも、被害者は、そのことに怒り、今後の示談にも悪い影響があります。

 

6.冤罪の場合どうするか

 冤罪のケースでも、一部では、その場からすぐに立ち去ることを勧める意見もありますが、逮捕される可能性が上がるだけですから、あまりお勧めしません。
 現在は、痴漢冤罪を避けるべく、警察も慎重に対応する傾向があります。
 逃げも隠れもせず、身元も正直に名乗った上で、しっかりと反論するべきです。
 当方で実際に弁護活動を行ったケースでも、身に覚えがないことから、冷静に否認し、何度か取調べを受けた後、最終的に不起訴になりました。

 

7.報道を避けるにはどうするか

 報道を避けるには、とにかく逮捕されないことです。逮捕されることで、報道の可能性は極めて高くなります。逆に言えば、逮捕されなければ、まず報道されません。
 逮捕されていないにもかかわらず報道されるのは、関係者が珍しい(犯人が国家公務員や国家資格者、逮捕したのが非番の警察官、被害者が芸能人など)か、事件の性質が珍しい(法律が改正されて初めて検挙された、前例のない犯行態様など)といったパターンです。

 

8.弁護方針

【不起訴を目指すには】

 痴漢事件の場合、条例違反か強制わいせつかなど、罪名を問わず、基本的には被害者と示談すれば、不起訴になる可能性が非常に高いといえます。
 前科がある場合でも、示談すれば量刑はかなり軽くなりますし、前科からの経過期間によっては、不起訴を目指せる場合もありますので、とにかく示談が最重要と言えるでしょう。
 基本的に、被害者は、加害者本人に連絡先を教えることはありませんので、弁護人を付けた上で、その弁護士限りということで、捜査機関を通して、連絡先を教えてもらうことになります。
 弊事務所では、「●円で示談するかどうか決めてほしい」といった単純なやり取りはせず、被害者の複雑な心境に寄り添って、少しでも納得してもらう形での示談を目指します。
 その過程で、謝罪文や、生活圏・通勤経路の調整なども有益です。
 専門医療機関への通院は、ご自身の更生だけでなく、反省のアピールになります。

 

【否認事件で裁判になってしまったら】

 上記の通り、犯行直後に逃走したり、動揺してしどろもどろになるのは、その後の捜査でもよくありません。
 やはり堂々と否認すべきです。
 とはいえ、痴漢冤罪となれば驚くなという方に無理があるかもしれません。
 まずは、すぐに弁護士に相談し(逮捕されてしまった場合はすぐに弁護士を呼び)、とにかく方針を決定することが肝心です。
 どの段階でも、一度でも自白すると、後々まで響くことになります。
 中には、「認めないと逮捕するし、勾留されてしばらく出てこれない」と圧迫して取調べを行う捜査官もいますが、負けないようにしてください。
 上記の例のように、否認のままでも逮捕されなかったり、逮捕されても勾留されず、一泊で釈放されることもあります。
 自白をしなければ、DNAや指紋、繊維鑑定など客観的な証拠の勝負です。
 再現や、被害者の尋問などから、無罪を目指していきましょう。

 

9.関連ページ

痴漢に強い刑事事件の弁護士【加害者専門!示談・不起訴へ】

 

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